孤独

公開日: ほんのり怖い話 | 怖い話

古民家の居間

中島らも氏のエッセイで読んだ話。

新聞の投書欄に送られて来た独居老人の手紙です。

『定年で会社を辞めてから随分経つが、ここのところ出先から帰ると居間に自分が居る、ということがよくある。

他にも焼き魚がビチビチと跳ねたり、妻に先立たれて退屈な日々を送っているには違いないが、ユーモアにしてもいささか度を越しているように思う(以下省略)』

中島らも氏は、

「本人は『ユーモラスな体験投書』のつもりでいるところが鳥肌」

と評していたが、まったくもって同意。

ドッペルゲンガーを見てしまったのか、孤独に耐えられず、ゆっくり狂って行ってしまったのか…。

関連記事

木の枝(フリー写真)

白い人の顔

子供の頃、時々遊びに行っていた神社があった。 自宅から1キロほどの山の麓にある、小さな神社だった。 神社は大抵ひとけがなく、実に静かだった。 神社の横が小さな林にな…

廃ホテル(フリー写真)

廃ホテルでの肝試し

学生時代の夏、男4人と女1人の計5人で、とあるホテルの廃屋へ肝試しに行った。 そのホテルの場所は別荘地のような、周りを森に囲まれた場所に建っていたので、夜23時過ぎに着いた頃には…

切り株(フリー写真)

植物の気持ち

先日、次男坊と二人で、河原に蕗の薹を摘みに行きました。 まだ少し時期が早かった事もあり、思うように収穫が無いまま、結構な距離を歩く羽目になってしまいました。 視線を常に地べ…

おおいさんの話

おおいさんってのが何者なのか分からんけど、俺の地元のコンビニバイトの間ではかなり有名。 おおいさんと名乗った客が来たら目を合わせるなという先輩からの指示を受けたのだが、俺はそれを…

赤ちゃん(フリー写真)

大宮さんが来よる

今、四国の田舎に帰って来ています。 姉夫婦が1歳の娘を連れて来ているのだけど、夜が蒸し暑くてなかなか寝付いてくれなくて、祖父母、父母、姉夫婦、俺、そしてその赤ちゃんの8人で、居…

登山(フリー素材)

赤い着物の少女

システムエンジニアをやっていた知人。 デスマーチ状態が続き、残業4、5時間はザラ。睡眠時間は平均2〜4時間。 30歳を過ぎて国立受験生のような生活に、ついに神経性胃炎と過労…

世にも珍しいポジティブな神隠し

日本のみならず世界の各所で起きる「神隠し」。 超自然的なものから人為的なものまで様々なものがあるが、基本的にネガティブなものである。 しかし、とある地方では世にも珍しいポジ…

廃墟(フリー写真)

消えた町の不可解な謎

昔々、ある田舎町に、不可解な事件が頻発していた。 町の人々は、怖さと不安で日々を過ごしていた。 事件の始まりは突然だった。 町の家々が、一夜にして何者かに荒らされる…

山

土着信仰

俺の親の実家の墓には、明治以前の遺骨が入っていない。 何故かと言うと、その実家がある山奥の集落には独自の土着信仰があり、なかなか仏教が定着しなかったから。明治まで寺という概念すら…

ふたりの父親

4~5歳くらいまで、父親が2人いた。 それも、浮気とかじゃなくて、同じ父親が2人。 意味が分からないと思うけど、顔形は全く同じなのに目つきだけが異様な感じがする、とにかくこ…