夜道での不吉な遭遇

公開日: 怖い話

夜道

中学生だった私は、ある晩、塾を終えて家路についていました。星空を眺めながら、のんびりと自転車を漕いでいたのです。

時刻は22時を過ぎており、家ももうすぐというときでした。

そのとき、前方に別の自転車を漕ぐ人の後ろ姿が見えました。細い道だったため、追い抜くことができずに、その後ろを走っていました。

突然、その自転車が倒れるのを見てしまいました。近づいてみると、髪の長い女性が倒れていて、うずくまって呻いていました。

私は声をかけましたが、返事はなく、暗い道での出来事に怖くなり、家に急いで帰ってしまいました。

後日、警察の刑事が家に訪れました。彼らによると、近所で殺人未遂事件が発生しており、その聞き込みのために訪れたのでした。

犯人の特徴を尋ねられると、髪の長い女性とのことでした。私が先日遭遇した自転車の女性のことを話すと、刑事の表情は一変しました。

私がその晩の出来事を詳しく伝えると、刑事は事件の詳細を明かしてくれました。

どうやら私が遭遇した状況と非常に似ていたのです。あの時、もし手を貸していたら、私はどうなっていただろうかと思うと、背筋が凍るような恐怖を感じました。

その女性は実は、地元で有名な精神的に不安定な人物で、過去にも何度か不審な行動を起こしていたことが判明しました。

警察の調査で、彼女はその晩、何者かに追い詰められていたことが明らかになりました。

事件の真相は謎に包まれたままで、地域には不安が広がりました。

この出来事以来、私は暗い夜道を一人で歩くことが怖くなり、常に警戒するようになりました。


note 開設のお知らせ

いつも当ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。
今後もこちらでの更新は続けてまいりますが、note では、より頻度高く記事を投稿しております。

同じテーマの別エピソードも掲載しておりますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

怖い話・異世界に行った話・都市伝説まとめ - ミステリー | note

最新情報は ミステリー公式 X アカウント にて随時発信しております。ぜひフォローいただけますと幸いです。

関連記事

ドアを開けるな

アパートに一人暮らしの女子大学生Sさん。 大晦日の夜、大掃除も終えて年越しテレビを見ていた。 携帯電話が鳴った。いたずら好きの友人Tからだ。 T「今バイト終わったから…

小島(フリー写真)

海女さんの心霊体験

私は23歳で、海女歴2年のあまちゃんです。 泳ぐのが好き、結構儲かる、という理由でこの仕事をしていますが、不思議な体験をした事があります。 ※ 海女になりたての頃、自分に付い…

畑(フリー写真)

人面芋

兄夫婦の嫁さんが教えてくれた話。 兄嫁(仮名・K子さん)のお父さんは、昔から農家をしている人だった。 農家というのは、幼い頃からお手伝いをさせられるから大変だったと、K子さ…

きょうこさん

異界の名を呼ばれた日 ― きょうこさん

「これまで、いろんな霊体験をしてきたって言ってたけど、命の危険を感じるような、洒落にならないくらい怖い体験って、ある?」 ある日、ふとした会話の流れで、以前付き合っていた“霊感…

幽霊船

これは、もう亡くなった曾祖父に聞いたお話です。 曾祖父が亡くなる数ヶ月前、どうしたことか、親戚を集めて色々な話を聞かせてくれたのです。 私の実家は鹿児島県のとある離島なんで…

少女

霊感を持つ女

霊感がある知人の話。彼女曰く、霊感というのは遺伝的なものらしい。 彼女の母方の家系では、稀に霊感を持つ女が生まれるのだと言う。 彼女が子供の頃の事、母方の祖父の初盆で本家に…

夜のビル街(フリー写真)

呻き声

俺のツレはいわゆる夜中の警備のバイトをしていて、これはそのツレにまつわる話。 ある日、そいつが言うには、 「何かさ、最近、バイト中に鳴き声がするんだよな」 「まあ、近…

海(フリー素材)

海にまつわる妖怪

海に囲まれた千葉県は、昔も今も漁業が盛んな地域である。 海は多くの富を千葉に住む人々に授けて来た。正に恵みの海である。 しかし、海は富を授けるだけのものではない。 優…

海(フリー写真)

海ボウズ

俺の爺ちゃんの話。 爺ちゃんは物心が付く頃には船に乗っていたという、生粋の漁師だった。 長年海で暮らしてきた爺ちゃんは、海の素晴らしさ、それと同じくらいの怖さを、よく寝物語…

おにいさん祭り

生まれは都市圏だけど、まだ緑が多かった頃なので遊び場には事欠かなかった。家の近くに大きな空き地があって、毎年盆踊りをそこでやっていたのを覚えてる。 その空き地が潰されて大きな工場…