友達だよな

公開日: 心霊体験 | 怖い話

トンネル(フリー写真)

ある日、数人の大学生が飲み会をしていた。

彼らは全員高校の時からの友達同士で、話題には事欠かなかった。

そして段々と盛り上がって来て、ちょっと肝試しに行こうという話になった。

男の一人が車を運転し、幽霊が出るというトンネルへ向かった。

トンネルの周りには、その歴史を感じさせるように、ツタが無数に生えていた。

一同は車を降り、写真などを撮ってトンネル内を散策した後、再び車に戻った。

しかし全員が乗り込んでいるにも関わらず、何故か車が発進しない。

運転席以外の男以外は、

「どうして出さないんだよ~」「早くしろよ~」

など文句の言い放題。

普段は反撃して来る運転席の彼も、何故か黙ったままで微かに震えている。

そして口を開いた。

「俺たちさ……友達だよな……」

急に変なことを言い出すものだと思ったが、

「当たり前でしょ?」「そうだよ、友達じゃん」

と答えた。

「じゃあさ、俺の足元、見てくれないか…?」

他の者たちが彼の足元を覗き込むと……。

車の底から生えた二本の白い手が、彼の足をがっしりと掴んでいた。

三人は悲鳴を上げながら車を飛び出して逃げた。友達を見捨てて。

それから落ち着きを取り戻した三人が車に戻ってみると、彼の姿は無かった。

どこへ行ったのかと思い、車の周りを探していると、一人が悲鳴を上げた。

震えながら指差すその先には、ツタに絡まった彼の姿があった。

関連記事

夜道

散々な彼女

高校時代の彼女H美の話。H美の家は、少し長めの道路の中間ぐらいに位置していた。夜になると人影も車もまばらになる薄暗い道路だ。ある時期から、大して人通りもないその道路で事…

残されていたもの

かつて、地方のとある旅館に泊まった家族の娘が、トイレで惨殺されるという事件があった。事件現場は凄惨を極めた。全身は滅多刺しにされ、顔は個人の判別もできないほどに破壊され…

地厄(じんやく)

今から25年前の小学3年生だった頃の話。C村っていう所に住んでたんだけど、Tちゃんっていう同い年の女の子が引っ越してきたんだ。凄く明るくて元気一杯な女の子だったんで、こ…

繰り返す家族

小三のある男の子が体験した話だ。男の子はその日、学校が終わって一旦帰宅してから、仲の良い友達と一緒に近くの公園で遊ぶことにした。夕方になるまでかくれんぼをしていたら、珍…

磨りガラス(フリー素材)

ガラス戸の向こう

この事件が起きるまで、俺は心霊現象肯定派だった。でも今は肯定も否定もしない。今から十二年前、俺は仕事の都合で部屋を引っ越すことになった。その部屋は会社が用意したもので、…

夜の町並み(フリー写真)

夜道のいざない

去年の7月くらいに体験した話。うちの母方の祖父が亡くなり、通夜と葬式のため親の実家の北海道へ行きました。当日は祖父を神社まで運び、その夜は従兄弟や叔父、叔母とみんなでそ…

部屋の灯り

北海道の知床の近くにある○○という町に友人と行った時のこと。知床半島の岬を観光するにはその町からバスに乗る必要があったんだけど、田舎なだけにバスが3時間に一本で、面倒臭くなって…

目

あの目(長編)

夏休みの少し前くらいの出来事。俺と友人のA、Bが、夏休み中にN県の山奥へキャンプへ行こうと話していると、それを聞いていた留学生2人が「一緒に連れて行って欲しい」と声をかけてきた…

ポコさん

私の住んでいた家の近くの公園には、いつもポコさんという大道芸人みたいなおじさんが週に3回来ていた。顔は白粉か何かで白く塗り、眉毛は太く塗り、ピエロの様な格好でいつもニコニコして…

子供の手(フリー写真)

帰って来た子供

町の外れに、ある夫婦が住んでいました。その夫婦にはまだ幼い子供が居ました。 ※ ある日の事です。外で遊んでいた子供が、泣きながら家に帰って来ました。母親が心…