友達だよな

公開日: 心霊体験 | 怖い話

トンネル(フリー写真)

ある日、数人の大学生が飲み会をしていた。

彼らは全員高校の時からの友達同士で、話題には事欠かなかった。

そして段々と盛り上がって来て、ちょっと肝試しに行こうという話になった。

男の一人が車を運転し、幽霊が出るというトンネルへ向かった。

トンネルの周りには、その歴史を感じさせるように、ツタが無数に生えていた。

一同は車を降り、写真などを撮ってトンネル内を散策した後、再び車に戻った。

しかし全員が乗り込んでいるにも関わらず、何故か車が発進しない。

運転席以外の男以外は、

「どうして出さないんだよ~」「早くしろよ~」

など文句の言い放題。

普段は反撃して来る運転席の彼も、何故か黙ったままで微かに震えている。

そして口を開いた。

「俺たちさ……友達だよな……」

急に変なことを言い出すものだと思ったが、

「当たり前でしょ?」「そうだよ、友達じゃん」

と答えた。

「じゃあさ、俺の足元、見てくれないか…?」

他の者たちが彼の足元を覗き込むと……。

車の底から生えた二本の白い手が、彼の足をがっしりと掴んでいた。

三人は悲鳴を上げながら車を飛び出して逃げた。友達を見捨てて。

それから落ち着きを取り戻した三人が車に戻ってみると、彼の姿は無かった。

どこへ行ったのかと思い、車の周りを探していると、一人が悲鳴を上げた。

震えながら指差すその先には、ツタに絡まった彼の姿があった。

関連記事

アパート(フリー写真)

引っ掻く音

大学時代にアパートで一人暮らしをすることになった。そのアパートは、太陽の光が当たる二階の部屋と、駐車場に近い一階の部屋が空いていて、俺は駐車場が近い一階の部屋に住むことにした。…

公衆電話

公衆電話が呼ぶ

突然だが、僕は電話が苦手だ。それは電話が面倒だとか、メールの方が楽だとかそういうことではない。電話が掛かってくる度にギュウッと心臓が掴まれたようになる。 ※ とある…

旅館

真夜中の厠

大学の友人と4人で海へ旅行に行った時の話。いつも仲の良かった4人で旅行ということで、ずっと前から楽しみにしていた。実際、行きの車中でもいつも通りの雑談が普段より楽しかっ…

ウォーリーを探せの怖い都市伝説

世界中で愛されている絵本が「ウォーリーを探せ」である。何百、へたしたら何千という群衆が描かれた絵本の中から、ウォーリーという一人の男を探す絵本である。ウォーリーの特徴は…

高過ぎる電気代

ある新婚夫婦がマイホームを購入するため不動産屋を訪ねた。その夫婦は、少し古いが希望に合う物件を見つけることが出来た。そこは古い和風屋敷の一軒家。値段の割には良い物件。 …

呪われた土地

俺の親友の話をしたいと思う。小4の頃にそいつ(以下H)の親が二階建ての大きな家を建てた。建設業を営むHの父親が建てた立派な外観のその家は、当時団地住まいだった俺にとって…

祖母のしたこと

私の一番古い記憶は3歳。木枯らしの吹く夕方、一人でブランコを漕いでいるところ。手も足もかじかんで、とても冷たい。でも今帰れば母に叱られる。祖母に迎えに来て欲しい、ここはいつも来…

煙草を持つ手(フリー素材)

マイルドセブン

先月、仕事で千葉のホテルに一週間ほど滞在した。そこは普通のビジネスホテルで、滞在2日目の夜の事。タバコが切れたので階に設置されてる自販機で買おうと部屋を出て、自販機の所まで来た…

優しい抽象的模様(フリー素材)

兵隊さんとの思い出

子どもの頃、いつも知らない人が私を見ていた。その人はヘルメットを被っていて、襟足には布がひらひらしており、緑色の作業服のような格好。足には包帯が巻かれていた。小学生にな…

魚(フリー画像)

魚の夢

俺は婆ちゃん子で、いつも婆ちゃんと寝ていたんだが、怖い夢を見て起きたことがあった。多分5歳くらいの時だったと思う。夢の内容は、『ボロボロの廃屋のような建物が三軒くらいあって、そ…