あなたが押したの?

公開日: 心霊体験 | 怖い話

ronai

少し困ってしまうことがありまして、ここに書かせてください。

5年前、私の友達が通っていた小学校で、陰湿ないじめがあったそうです。いじめの首謀者のM子さんは誰もが認めるほど容姿端麗で、成績優秀のため大人たちは誰も気がつかなかったそうです。

そんなある日、M子さんが一人でゴミを焼却炉に捨てに行き、捨てようと身を乗り出した瞬間、後ろから誰かに押され、焼却炉に頭から突っ込んでしまいました。焼却炉の中は火の海。

なんとか外に出る事ができたM子さんは、叫びながら顔を抑えてのた打ち回りました。

M子さんの髪は燃えてなくなり、顔中に大火傷をしてしまいました。その後、学校に来る事はありませんでした。

誰かに後ろから押されたというM子さんの訴えに校内で調査がありましたが、誰もM子さんが押されるのを見たものがいないという事で特に事件などにはなりませんでした。

しばらくして、M子さんは自殺してしまいました。自分の醜くなった顔に耐えれなかったからかもしれません。

それから町では奇怪な事件が起き始めたそうなのです。

同じクラスのHさんの家が火事になり、家族全員が焼死したそうです。しかも顔も誰だか見分けがつかないほどの焼け方でした。

同じクラスだったSさんもまた車で事故に遭い、顔だけがぐちゃぐちゃになった状態で亡くなっていたそうです。

事故として処理された事件は十数件に登りましたが、その殆どが顔がひどい状態で亡くなるという奇怪な事件でした。

町では度重なる事故に噂が立ち始めました。

M子さんが犯人探しをしているのではないかという事。

実際にM子さんを見た同級生がいました。それはM子さんが自殺した次の日のことでした。

お風呂に入っていたその子は浴室の鏡にふと目をやると、髪は焼けちぢれて、顔がケロイド状になったM子さんが現れ、こう言ったそうです。

「あなたが押したの?」と。慌てて「違う!!」と返事すると「探して…」といって消えて行ったそうです。

あまりにも恐ろしいこの体験を、翌日その同級生は同じクラスのHさんとSさんにしたというのです。

実は私がここに書いたのには理由があるのです。この話を聞いた人は必ずやらなければならないことがあるからなのです。

「あなたが押したの?」と尋ねられたら「違います」と返事をする事。そして必ず誰かに「あなたが押したの?」と尋ねなければいけません。

M子さんは犯人を探しています。M子さんに協力しないで答えなかったり、「違います」とだけいって話を止めてしまった人には悲惨な事故が待っているそうです。

隣町で起きた事件で私の地元でもこの噂はあまりにも有名なのです。もう誰に聞いても答えてもらえない。一度このやりとりを経験している人に答えてもらっても無駄なのです。

私が「違います」と答えてから、もう3日が経ちます。今までこれをクリアできなかった人は一週間以内には死んでいると聞きます。

どうか誰か私を助けてください。

お願いします。

「あなたが押したの?」

関連記事

峠(フリー写真)

夢の女と峠の女

俺は幽霊は見たことがないのだけど、夢とそれに関する不可思議な話。 中学3年生くらいの頃から、変な夢を見るようになった。 それは、ショートヘアで白いワンピースを着た二十代くら…

禍垂(かすい)

昔まだ十代の時で、して良い事と悪い事の分別もつかない時の話。 中学を出て高校にも行かず、仕事もせずにツレとブラブラ遊び回ってた。 いつものようにツレから連絡があり、今から肝…

ハコマワシ

封じられた愛情 ― 赤い糸に縛られた夜

赤いマフラーと届いた呪い 半年ほど前、私は人生で初めて、“本気で気味が悪い”体験をした。 それは幽霊でも怪異でもない。けれど、心の底から震えるような恐怖だった。 中…

変なタクシー

昨日、ひどく恐ろしい体験をしました。 便宜上昨日と言いましたが、実際は日付が変わって本日の午前1時過ぎのこと。 残業のため終電で帰ってきた私は、家の近くまで走っているバスが…

釘

恨みクギ

俺が若かった頃、当時の彼女と同棲していた時の話。 同棲に至った成り行きは、彼女が父親と大喧嘩して家出。彼女の父親は大工の親方をしている昔気質。あまり面識は無かったが、俺も内心びび…

きょうこさん

異界の名を呼ばれた日 ― きょうこさん

「これまで、いろんな霊体験をしてきたって言ってたけど、命の危険を感じるような、洒落にならないくらい怖い体験って、ある?」 ある日、ふとした会話の流れで、以前付き合っていた“霊感…

アケミくるな

僕は運送大手の○川でドライバーをしていました。 ある夜、○○工場内(九州内にあります)で作業中、どうにも同僚Sの様子がおかしいことに気が付きました。 Sは仕事中だというのに…

銭湯(フリー背景素材)

もう一人の足

母が高校生くらいの頃、母にはAさんという友人がいたそうです。 その人は別に心霊現象に遭うような方ではなく、本当に普通の人だったそうです。 ある日、母とAさんは近くの銭湯へと…

おはじき(フリー写真)

狐が迎えに来る

『一夜物語』という携帯ゲームを知っていますか? そのゲームのオープニングで狐の話が出るのです。 あの話を制作者が知っているかどうかは別にして、実は非常によく似た話がありま…

ネットワーク

むこうがわ

Aという男がいた。世間からの評判は良い彼だったが、他人に言えない秘密があった。 それはネットを渡り歩いては、グロ映像等の猟奇系のウェブサイトを覗き見るという趣味だった。 よ…