疫病神

公開日: 怖い話

Hoodoo-Vision,-Kurt-Wiscombe-2011

20年くらい前、高校生の時一人で留守番をしていたら、インターホンが鳴った。

出てみると、乞食みたいなのが立っていて「この家には死神がついている」と言い残して立ち去っていった。

それからしばらくして、父親が交通事故、母親が胃ガン、弟は野球部の練習で打球を左目に受け失明寸前、妹は中学でいじめられて不登校になり、祖父のボケがひどくなるなど、死人こそ出なかったが、家中めちゃくちゃだった。

乞食のことは誰にも喋ってなかったのだが、言ってることがあたったのではと内心おびえていた。

次は俺の番かと思っていたが、何事もなく20年が過ぎた。

今年の正月に実家に帰った時、父親と酒を呑みながらその話をしたら、遠くを見るような目で「それは本物の疫病神だったのかもしれんな」と呟いていた。

関連記事

競売物件

競売物件

自動車免許を取りに免許センターへ通っていた時に仲良くなった人から聞いた話。 筆記試験が終わり、知り合いも来ていないし一人でぼーっとしていると、20代後半くらいのサラリーマン風の人…

ごぜさんの鐘

辺り一面山だらけ、どこを見渡しても山ばかりという地方の出身です。 小さい頃からお世話になっていたお寺に「鐘」がありました。 「鐘」と書いたのには理由がありまして、それは布と…

忠告

先日事故で意識不明、心肺停止状態で病院に運ばれた時、気が付くと処置室で自分が心臓マッサージをされているところを上から見ていたんです。 これが幽体離脱というやつだなと解って、自分の…

隠し部屋

20年以上前の話なのですが聞いてください。 友人が住む三畳一間月3万円のアパートに遊びに行ったときのことです。冬の寒い日でしたが、狭い部屋で二人で飲んでいるとそこそこ快適でした。…

お屋敷(フリー写真)

お屋敷の物品回収

古い物を家主の居なくなった家から回収し、業者に売りに出す仕事をしています。 一般の人から依頼があって回収する事もあるし、解体業者からお呼びが掛かって現場へ出向く事もあります。 …

渓流釣り(フリー写真)

一人で泳いでいる男の子

去年、梅雨の終わり頃に白石川へ渓流釣りに行った時の事。 午前4時くらいに現地に到着して準備を終えました。 そして川に入ろうとした時に、川の方から子供の声が聞こえるのです。…

トンネル(フリー写真)

車の手形

ある日、大学生のカップルが山へドライブに行きました。 夕方になり、辺りが薄暗くなった頃に帰ろうとしたのですが、道を間違えたのか、行きでは通らなかった古びたトンネルに行き着いてしま…

暗い夜道(フリー写真)

ヤモリ女

あれは大晦日のことでした。 深夜、煙草を買いに行こうと少し離れた場所にあるコンビニへ出向きました。 私の住んでいる所ははっきり言って田舎なのですが、昔は街道筋だったので、狭…

沈まぬ太陽

もう10年も前の話だが、裏の世界のようなものを見た事がある。 当時の私は友達のいないぼっち女子中学生で放課後や昼休みは学校の図書館で専ら読書に勤しんでいた。 小さい図書館だ…

田舎の風景(フリー写真)

霊感の強い弟の話

高校生の頃、霊感がピークだった弟の話。 弟には小さな頃から霊感の強い友達が居る(仮にAとする)。 その日、学校帰りに Aの家へ遊びに行く途中のこと。 何ぶん田舎なも…