タグ: 祖父

青いみかん

感情の起伏がほとんどない子供だった自分に、祖父が病室で青いみかんを差し出した。祖父が旅立った後の仏壇には、誰も供えた覚えのない青いみかんが一つ。その香りを嗅いだ…

山の物の怪

若い頃の祖父は、輸入物のバイクで夜の山へ入り、背丈が杉より高い『なにか』に出会った。血の匂いと訛りの中で交わされた、馬と菓子の取引。祖父の倉に残るバイクが語る、…

煙草

子どもの頃、炭焼きだった祖父と山へきのこを採りに入った夏。帰り道は正しいのに同じ景色を繰り返し、谷川の音も消え、いつまでも家に着かない。慌てぬ祖父が一本の煙草に…

まりも

祖父から相続した古い家で、夜ごと枕元に黒く丸い二つの光が浮かぶようになりました。家じゅうを探した私が物置の奥で見つけたのは、色あせた紙に「まりも」と書かれた、黒…

雨を降らせる爺ちゃん

三河・岡崎の花火師だった爺ちゃんは、打ち上げの朝、必ず空へ「今日は借りるで」と頭を下げる人だった。旅立ったあと、墓の手続きや法事の日にだけ判で押したように降り続…

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