タグ: 意味がわかると怖い話

何でもない心霊写真

新潟の雪深い集落には、隣り合う家の押入れの奥に板戸を切っておく決まりがありました。戸は二度叩き、返事があってから開ける。誕生日の写真に写り込んだ青白い女の顔を拝…

二階の電気を点けた人

秦野の丘の分譲地で、私はあの家の二階の電気を一度も点けませんでした。八月の蒸し暑い夜、階下で玄関の鍵が回る音がします。忍び足で階段をのぼってくる気配から、私は屋…

能力

商店街の奥の椅子に座る年寄りは、通る人を見て食べ物の名を一言だけ呟きました。直前に食べたものを当てているのだと思っていた私は、呟かれた人の記録を追ううちに、この…

降りなければ

紀伊の山奥の集落へ向かう昼のバス。子どもがぐずったので途中の停留所で降り、定食屋に入った十分後、テレビはそのバスの事故を報じました。妻がこぼした一言の本当の意味…

世界一怖いお化け屋敷

昭和六十年の夏、川原に建つ見世物小屋で木戸番をしました。祖父に言われたのは、釣りを先に渡せという一言だけです。幕の内から響く拍手、濡れる地面、減っていく矢印、十…

パンは危険な食べ物

町に出回った一枚のチラシが、パンは危険な食べ物だという奇妙な統計を並べていた。母が、隣人が、商店街が少しずつ変わっていく。数字の正体に気づいたとき、本当の目的が…

年齢当ての男の白い顔

終電を逃して乗った深夜の特急に、灰色のコートを着た痩せた男が乗ってきました。年齢当ての男は、乗客の歳を次々と言い当てていきます。けれど奥の席にいた女性の誕生日を…

覗いていた

念願の新居で開いた引っ越し祝い。撮った記念写真の押し入れの隙間から、青白い顔の見知らぬ女が私たちを覗いていました。怯えて訪ねた霊能者は「これは心霊写真ではない」…