代わりに読んでくれませんか
県境の湯の町の小さなラジオ局で、同僚が録ってきた音に、彼が言った覚えのない一言が入っていた。町の人は誰も驚かず、財布から薄い紙を出して見せる。ヨマセ様に代わりに…
県境の湯の町の小さなラジオ局で、同僚が録ってきた音に、彼が言った覚えのない一言が入っていた。町の人は誰も驚かず、財布から薄い紙を出して見せる。ヨマセ様に代わりに…
昭和末期、北の半島の港町。港の拡張工事で、岬に据えられた古い立石が動かされた。封じの蓋を開けた者の血筋へ、因は順を追って回っていく。石工の私が、幼馴染の一家を襲…
昭和五十七年の秋、川霧の立つ山あいの町で市史を編んでいた私は、丘の祠に納められた木札を写真に撮ってしまった。その晩から、灰色のコートを着た名取りの女が借家の戸や…