命の大切さ

公開日: 不思議な体験

Life-of-Pix-free-stock-photos-sea-peaople-water-waves-back-Sunset-Joshua-earle

つい最近の出来事です。

職場で色々あって、自殺未遂しちゃったのね。

それで気分転換のため田舎に帰省したんだ。もちろん自殺未遂のことは秘密にして。

すると、信心深いばあちゃんが俺の顔を見るなり、寺に行こうと言うのね。

まあ、俺も久しぶりだったからばあちゃんと2人で墓参りに行ってから、寺へ行った。

そしたら「病気平癒」祈願のお経が始まった。ばあちゃんが頼んでくれたらしい。

なぜばあちゃんが病気平癒を頼んだのか分からなかったが、精神的に参っていて胃潰瘍だったから、有り難く聞いといた。

住職に「先祖が守ってくれるから大丈夫、毎日感謝しなさい」と言われた。

ばあちゃんには「一人でないのだから大丈夫だ」と言われた。

その時は、精神的に参っている様子の俺を元気づけようとしてくれたんだな、と普通に嬉しかった。

俺はそれから3日程で田舎を後にした。

しかし新幹線に乗るとまた憂鬱になり死にたくなった。

憂鬱なままアパートに戻り郵便受けを見ると、骨髄バンクから手紙が来ていた。

俺の型が合う患者さんがいて、移植に協力できるか返事をくれという内容だった。

命を捨てようとした俺が、人の命の役に立てる。

住職とばあちゃんの言葉が浮かんだ。

俺は親やばあちゃんや先祖に命を捨てようとしたことを謝った。

涙が止まらなかった。

あの病気平癒祈願は、この患者さんのためだったんじゃないかなあ。

考え過ぎかもしれないけど。

関連記事

前世記憶がある俺の話

まず、前世の記憶と言ってもしっかりとはしていない。 生まれた時から記憶が全てあるとか、そういうものではないという事は前提で聞いて欲しい。 ※ 始まりは小学校だった。その頃から…

和室

死守り

俺のじじいは柔道五段、がっしりした体格で、土と汗の臭いのするでかい背中。日に焼けた顔。 俺がろくでもないことをする度にぶっ飛ばされた、荒れた手。 素直じゃなくて憎まれ口ばか…

田舎の風景

白ん坊

このお話の舞台は詳しく言えないけれど、私の父の実家がある場所にまつわるお話。 父の実家はとにかくドが付く程の田舎。集落には両手で数えきれる程しか家がない。 山奥なので土地だ…

地底世界

小学校2年生の頃の話。 山に囲まれた田舎に住んでいたんだけど、学校の帰り道で知らないおじさんとおばさんが俺に話しかけてきた。 知らない人には付いて行ってはいけないと言われて…

昭和のような町並みの異世界

田舎の高校に通っていた高1の夏休みの時の話をします。 部活が20時に終わり、その後23時くらいまで部室で怖い話をしていた。 さすがに遅くなったから帰るかという事になり、家が…

光(フリー素材)

異世界に続く天井裏

俺のクラスに新しく転入生の男子が来た。 彼はいつも机に突っ伏して塞ぎ込んでいて、未だに友人は一人も出来ていないようだった。 きっとクラスに馴染めずに大変なんだろうと考えた俺…

不気味な山道(フリー写真)

頭が無いおじちゃん

知り合いが体験した話。 彼女は幼い娘さんを連れて、よく山菜採りに出掛けているのだという。 ※ その日も彼女は、二人で近場の山に入っていた。 なかなかの収穫を上げ、下山し…

トンネル(フリー写真)

旧生駒トンネル

大阪と奈良を結ぶ近鉄奈良線。 その間に生駒山が立ちはだかり、電車は長いトンネルを通ります。 現在使われているのは「新生駒トンネル」。 しかし昭和30年代に掘削された…

河原

時空の穴

この出来事は14年前に起こりました。私は多摩川の河原を散策していたところ、奇妙な穴を発見しました。その穴は草むらにあり、斜め下に向かって延びていました。何の気なしにその穴を進んでいく…

林

山の女の子

昔、私が小学3年生のとき、毎年夏になると両親は私を祖母の家に連れて行っていました。その町は都心から離れたベッドタウンで、まだ発展途上の田舎でした。周囲は広い田んぼや畑、雑木林が広がっ…