お通夜の日

公開日: ほんのり怖い話 | 不思議な体験

lucid-dream-taylan-soyturk

おじいちゃんのお通夜の日の話です

当時高2の俺は、別に手伝う事も無かったので、準備が終わるまで自分の部屋で音楽を聴きながらまったりとしてたんです。

それでちょっと眠くなってきた頃にドアがノックされて

「おい、○○(俺の名前)そろそろお坊さんが来るから、こっち来とき」

と父に呼ばれ、おじいちゃんの遺体がある部屋に行きました。

部屋に行って、みんなでおじいちゃんの遺体を囲んで、お坊さんが来るのを待ってたんですけど、俺がよそ見をしてた間におじいちゃんが生き返ったんです!マジで!

普通に「あー、よう寝た」とか言いながら目を覚ましたみたいな感じで。

それで、みんな怖がるとかじゃなくて、感動して喜んでたんですけど、誰かが「オイ!遺影とか隠せ!」って言ったんです。

俺は一瞬意味が分からなかったんだけど、多分そういう葬式とかに関係あるものを見たら気づいて、おじいちゃんがショック死するからかなあ、とか思いながら俺も手伝って、大きい花みたいなのを隠してました。

でも蘇ったおじいちゃんは異常にに力が強くて、父を力づくでどかせて、父が隠してた祭壇を見つけたんです。おじいちゃんはそれを見て、

「うわ、今日誰かの葬式か何かか? こういうのを乱暴に扱ったらあかんやろが」とか言いながら、祭壇を整えてたんですけど、そのうち自分の遺影を見つけて「あ、わし、死んだんか。そうか」とか言い残してまた死んでしまいました。

それから俺はまた部屋に戻ってまったりとしてたんですけど、じきにまた父が呼びに来て遺体のある部屋に行ってみたら、もう祭壇とかを片付け始めている。

俺は不思議に思いながらも片付けを手伝っていたんですが、片付けている時に父とか母とかは違う部屋に行ってて、そのおじいちゃんの遺体がある部屋には俺一人だったので、おじいちゃんの遺体と二人っきりになった瞬間があったんですね。

そして、俺がまたおじいちゃんの遺体から目を離してる隙にまた生き返ったんです、おじいちゃんが!

でも今度は前とは違って明らかに様子がおかしくて、なんか映画のゾンビのように、奇声を発しながら暴れまわってるんですよ!

それでおじいちゃんが外に出ようとしてるので、俺はそれを必死で止めてたんです。

そして、おじいちゃんに「おじいちゃんは死んだんやで!もう気づいて!」と言ったところで俺はある事に気づきました。

俺は高2の男なんかじゃない、俺自身が今目の前にいるこの老人なんや。わしは死んだんか? これは夢か?

と思ったところで目が覚めました。ああ、まだわしは死んでない。でも、最後に嫁はんや孫の顔でも見とくか、と思ったんだけど、目も開かないし、体も動かない。

そうか、やっぱりもうわしは死んでんのか。周りからは皆の泣いている声が聞こえる。

というような夢を一昨日見ました。

オチが洒落になってなくてめちゃくちゃ怖かったです。この直後に目が覚めたんですけど。

関連記事

竹藪(フリー写真)

佐々間のおばちゃん

子供の頃は両親が共働きだったので、うちには幼い俺の世話をする『佐々間のおばちゃん』という人が居た。 おばちゃんはちょっと頭が良くなかったせいか仕事は持たず、自分ちの畑とうちのお手…

龍神様の掛け軸

実家にある掛け軸の話。 いつ誰が買ってきたのかも定かでない、床の間に飾ってある龍神様の描かれた小ぶりの掛け軸。 聞けば祖母が嫁いできた頃には既にあったと言うから、既に70年…

教室(フリー素材)

消えた同級生

小学2年生の時の話。 俺はその日、学校帰りに同じクラスのS君と遊んでいた。 そのS君とは特別仲が良い訳ではなかったけど、何回かは彼の家にも遊びに行ったし、俺の家に招いたこと…

公園(フリー素材)

視える子

7歳の長男の話です。 長男は所謂『視える子』らしいのですが、彼から聞き出す話のことごとくが、一般的な霊感体験談からズレていて興味深いのです。 長い髪の女や不思議な子どもな…

夜の駅前

真夜中の見知らぬ駅

あれは、私が大学生の頃の不思議な体験です。 その日、私は大学の友人たちと飲み会に行き、終電ギリギリまで楽しく過ごしていました。 仲間たちは徒歩や自転車通学ばかりで、電車通…

星空

夜の合宿地での不思議な出会い

私たちの高校には天文部という小さな部活がありました。 夏と言えば、ペルセウス座流星群を観測する合宿が恒例となっていました。 ある年、合宿地として選んだのは、都会の喧騒から…

赤い服の女の子

以前に書き込みした者ですが、もう一つ、二十年程前の話をします。 私はオカルト掲示板でもお馴染みの、例の生き人形の生放送を見ました。 スタジオがパニックになったなど詳細は覚…

病院の廊下(フリー素材)

子供だけに見えるもの

旦那の祖父が危篤の時の話。 連絡を受けて私と旦那、2歳の息子とで病院に向かった。もう親戚の人も来ていて、明日の朝までがヤマらしい。 息子はまだ小さいので病室にずっと居る訳に…

夜の町並み(フリー写真)

夜道のいざない

去年の7月くらいに体験した話。 うちの母方の祖父が亡くなり、通夜と葬式のため親の実家の北海道へ行きました。 当日は祖父を神社まで運び、その夜は従兄弟や叔父、叔母とみんなでそ…

狐の嫁入り

俺の実家は山と湖に囲まれた田舎にある。 小学校6年の時の夏休みに、連れ二人と湖に流れ込む川を溯ってイワナ釣りに行く事になった。 雲一つも無いようなよく晴れた日で、冷たい川の…