繋ぎ目

Parallel_Postulate

中学生の頃の夏の話。

そろそろ夏休みという時期の朝、食事を終えてやっとこ登校しようと、玄関に向かったんだ。

スニーカーのつま先を土間でとんとんと調整しながら引き戸の玄関をガラガラって開けたら、そこが玄関だった。

玄関から出たはずなのに、目の前には土間があり、さっきまで自分がいた玄関がそこにある。

不思議に思いながらも、遅刻するから急ごうとそのまま後ろを振り向いたら、そこも玄関。うちの玄関と玄関が引き戸一枚で繋がってる状態。

そんな訳が解らない状態に不安になって、2つの土間を行き来しながらどうしたらいいか考え、とりあえず玄関をいったん閉めてみたんだ。

それでもう1回玄関を開けたら、そこは普通に外だったんだけどさ。

でも多分、俺は逆の玄関の方から外に出ちゃったんだよね。

それから何か全部微妙に違う。

友達に里中なんていなかったし、北海道なんて県なかったし、「む、あ、い」こんなひらがなは存在しなかった。信号は赤・白・紫だったし、中国・韓国・台湾・北朝鮮は1つの国だったし、ハワイは日本の領土だったし、なんか違うんだよ。

もう慣れちゃったけど。

関連記事

きよみちゃん

私が小学校三年生の時の話です。 そのころ、とても仲よしだった「きよみちゃん」という女の子がクラスにいました。 彼女と私は、学校が終わると、毎日のようにお互いの家を行き来して…

鮒おじさん

小学校4年生の夏休みの事で、今でもよく覚えている。 川と古墳の堀を繋いでいる細い用水路があって、そこで一人で鮒釣りをしてたんだ。 15時頃から始めたんだけど、いつになく沢山…

不思議な手紙と異常な部屋

去年の暮れ、会社に一通の手紙が届いた。 編集プロダクションに勤めている俺への、名指しの手紙だった。 中を読むと自分のエッセイを読んで添削して欲しい事、そして執筆指導をして欲…

10円おじさん

10年程前に会った10円おじさんの話をします。 当時、高校を卒業したばかりで、仲間とカラオケに行きました。 一両や二両しかない電車の通る無人駅の傍にある小さなカラオケ店です…

絵皿

喋る絵皿

小さい頃、祖父が友人宅から鷹の絵の描かれた大きな絵皿を貰ってきた。 それは今でも和室に飾ってあって、特に怪奇現象を起こしたりはしていない。 祖父の友人は骨董商だった。 …

枕(フリー写真)

ひとりおしゃべり

「ひとりおしゃべり」というものをご存知でしょうか。 降霊術の一つだそうで、椅子を二つ用意して片方に座り、もう一つの空いた椅子に向かっておしゃべりを続けると霊が出るというものです…

胎内の記憶

5才くらいの頃の体験なんだけど、白装束かローブのようなものを着た、髭もじゃの外国人のおじさんの家によく遊びに行っていた。 それが夢なのか実際に行っていたのかはよく分からない。 …

光の誓い

近所の「霊感おばさん」から夏祭りの時に聞いた話。 霊感おばさんの相談者の女性が、幼稚園時代に体験した話だそうです。 ※ 私は幼稚園の頃に「光の誓い」という曲を歌った事を覚えて…

iPhoneを横持ちする子供(フリー写真)

未来のゲーム

誰にも信じてもらえない出来事を、これから話します。 当時、私はまだ子供で、初代ゲームボーイが世に出たばかりの時代でした。 そのゲームボーイを親に買ってもらい、幸せの絶頂に…

山道

途切れさせてはいけない

俺の嫁が学生の頃の話。 オカルト研究サークルに入っていた嫁の友達K子が、心霊スポットについての噂を仕入れて来た。 東北地方某県の山中に、周囲を注連縄で囲われている廃神社があ…