円錐状の光沢金属

公開日: 不思議な体験

金属加工業(フリー写真)

私は金属加工業を営んでいるのですが、先日不可解な事がありました。

数ヶ月前より、左手薬指の指先を使って何かを掴むと『ズキン!』と痛みが走るようになっていました。

加工クズなどの切粉がちょうど神経に当たって痛む、という感じとは少し違いました。

そうですね…、切粉のトゲの痛みを、針で付く感じとするなら、

この痛みは『痛みの治まった傷口』を圧迫するような痛みでしょうか。

仕事柄、トゲなどの刺さることは日常茶飯事で慣れていたため、放置していました。

先日、その場所から金属片が顔を出していました。

ああ、やっと押し出されて来たか…。

その時はそう思って、とげ抜きやピンセットで取ろうとしたのですが、どうしても取れません。

ちょうど三角形の天辺が顔を出したような形状のため、挟んでも滑ってしまうのです。

まあ、2、3日すれば勝手に取れるだろう、と思って数日が経過しました。

気になる度にピンセットで摘んではみるのですが、一向に取れる気配もありません。

傷口に血が滲んでくるため、子供のように舐める癖がついてしまいました。

それで昨夜もいじってみたものの取れず、舌で滲んだ血を舐めた時のことです。

口の中に異物感がありました。

「ゴリッ」

すぐに吐き出してみると、小豆を半分にしたぐらいの金属塊が。

まさかと思い指を見ると、顔を出していた金属片がありません。

どこをどう押さえても、痛くも痒くもないのです。血も止まっています。

微かに、本当に微かに、シャープペンの芯で刺した程度の傷口が『点』のようにあるだけなのです。

ギュッと絞るように摘むと血が出てきますが、傷口はやはり『点』のように小さなものです。

それなのに、吐き出したものは直径5ミリ、高さ4ミリ程度の円錐状の光沢金属(こんなの→△)。

底面(平面の部分)は明らかに破断面の特徴を備え、

三角錐の斜めの曲面は、鏡のように周りが映り込むほどの鏡面仕上げ。

うちで扱う工具や製造している物には、そのような鏡面仕上げが施された物などありません。

磁石に付かない非磁性金属であることも確認。硬度はHRC65程度。

同業の方でないと解りづらいと思いますが、

硬度65の鏡面加工非磁性金属など、取り扱う機会が皆無と言って良い代物です。

金属の種類を調べるため、仕事柄付き合いのある知り合いに宅配便で送りました。

名刺を3分の1程度に切り、そこにセロハンテープで張り付け、

それを手近にあった噛むブレスケアのケースに入れてきちんと蓋をしました。

すると知り合いから電話がかかって来ました。

『お前、丁寧に包んで送って来たけど、肝心の中身を入れ忘れてるよ』

聞くと空っぽのブレスケアのケースに、セロハンテープを貼った名刺の切れ端だけが入っていたそうです。

一体、どこでどうやって自分の指に食い込んだのか?

こんな大きさの物が、体内から殆ど傷もつけずにどうやって出てきたのか?

そして、あの金属は一体何なのか。どこへ消えたのか?

この投稿への返信

その知り合いの方は、本当に信用できる人物なのでしょうか?

送った金属片が消えるところに、何か人為的な作為を感じます。

もしそれが地球上でまだ発見されていない未知の金属だったとしたら、

初めから無かったことにして、故意に回収されたとは考えられませんか?

まあ、異星人からのインプラントで解決したいなら、それでも良いのですが…。

この返信への回答

円錐状物体の平面部分は、高硬度金属の破断的特性を明らかに示しています。

『作られたもの』ではなく『作られたものの欠片』と思われますので、インプラントするような代物には思えません。

何らかの意図を持ってインプラントするならば、

機能するであろう全面に、加工の痕跡のある外観的特徴を備えるのが普通だと思います。

貼り付けた台紙に使った名刺は、和紙の繊維が少し浮いているものでした。

セロハンテープは16ミリ幅のものを、半分程の幅を重ねる様にして台紙の裏まで巻いて貼っています。

それにセロハンテープで金属塊の全周を押さえるようにしていましたので、抜け落ちは考えられません。

また、後日その知り合いに名刺の切れ端を見せてもらいました。

しかしテープを剥がしたようには全く見えませんでした(和紙のため、剥がすと毛羽だってしまうので)。

信用度は個人的な印象でしか語れませんが、

あと数年で会社を辞め稼業の米農家(精米所を個人で持つぐらいの大地主)を継ぐことが決まっています。

金銭欲にも出世欲にも縁のない男、というのが外面的評価です。

自分は山釣りに行くのですが、信用できない人間と二人で山奥に入るのは凄く怖いと感じます。

しかし彼とは何度も釣りに行っており、個人的感情でも信用しています。

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