小学生の友達が消えた日 ― 未解決の夏の事件

公開日: 洒落にならない怖い話

行方不明になった友達

これは、まだ解決に至っておらず、現在も進行中の事件です。

当初はプロの探偵に依頼していましたが、警察沙汰に発展するかもしれず、あるいはそうならないかもしれない──現時点では、何とも言えない状況です。

私が小学校5年生の頃、仲の良かった友人が一人、実際に行方不明になりました。

そして、最近になって、その友人を連れ去った可能性のある人物を見かけたのです。しかし、確たる証拠がまだなく、どうするべきか判断に迷っている状態です。

今回は、その出来事について、皆さんのご意見をお伺いしたく、これまでの経緯を記してみたいと思います。

話は小学校時代にさかのぼります。

F君が行方不明になったのは、夏休みの終わり頃のことでした。

当時、私たちの学校では鶏を数羽飼っており、私とF君は5年生の1学期に「飼育係」を担当していました。

夏休みの期間中も、飼育係の生徒が交代で鶏の世話をしに登校しなければならないという、やや面倒な決まりがありました。

その年は飼育係が4人しかおらず、負担が大きいということで、「都合のつかない日は用務員が代わりに世話をする」ということに決まりました。

ある日、私が一人で学校の鶏小屋に餌をやりに行きました。

飼育係の仕事は、ポリバケツに入っている餌袋からスコップで餌を取り、餌入れに入れること。水を替え、小屋が汚れていれば掃き掃除をする、というものでした。

しかしその日は、ポリバケツの中に餌がほとんど残っておらず、袋を取り出そうとしたところ、底が破れてしまいました。

ポリバケツの中を覗くと、底に大量のウジが湧いており、私は思わず悲鳴を上げました。

バケツの底一面に、3センチほどの厚みで蠢くウジの群れ──私は、そうしたものに全く耐性がなく、これが初めての体験だったこともあり、恐怖で震えあがってしまいました。

大人を呼ぼうと、私は学校中を走り回り、たまたまいた用務員の方に助けを求めました。

ところが、用務員は「自分には関係ない」「今は忙しい」といった反応で、取り合ってもらえませんでした。

私はどうすることもできず、そのまま家に帰ってしまいました。

翌日はF君が飼育係の当番だったため、私は彼に電話をかけ、ウジのことを伝えました。

その時の私は半ば冗談交じりで「ヤバいもの見たよ」といった調子で話したのですが、翌日F君から返ってきたのは、深刻な口調でした。

「見たけど、あれは無理。気持ち悪すぎる。予備の餌袋もすごかった」

備蓄用の餌が入っていた縦長のビニール袋にもウジが湧いていたらしく、F君はこう続けました。

「日陰に置いてあるはずなのに、袋だけが妙に熱くて、おかしいと思ったら、中身がほとんどウジに変わってた。まるで“ウジ虫ソーセージ”や。袋全体がもぞもぞ動いてて、気味悪すぎて逃げた」

そこまでは、まだ笑い話として済ませられる程度でした。

ところが、それからの5日間は、飼育係が休みで用務員の当番だったため、私たちは鶏の様子を確認していませんでした。

6日目が再びF君の当番で、私はその日の報告を、少し楽しみにしていました。

しかし、その日を境に、事態は急変します。

F君からの電話はありませんでした。

その後の調査で判明したのは、用務員による「助っ人当番」がうまく伝達されておらず、鶏は実に5日間も餌も水も与えられていなかったという事実でした。

さらに遡ると、私とF君がそれぞれ一度ずつ、餌やりを途中で断念していたため、合計で1週間近く放置されていたことになります。

その結果、鶏は全滅していました。

ストレスで羽根が抜け、共食い寸前だった個体もいたそうで、小屋の中は凄惨な状態だったと聞きました。

今でも鶏たちには申し訳ない気持ちでいっぱいです。

夏休み明け、友人から「お前、ひどいやつだ」と言われ、喧嘩になったこともありました。

それほど、心に傷を残す出来事でした。

しかし、最も恐ろしいのは──その日の出来事のあと、F君が忽然と姿を消してしまったことです。

目撃情報によれば、F君は確かに学校まで来ていたようです。

鶏小屋で何を見たのか、それが何かのきっかけになったのか──F君はその日、夜になっても帰宅せず、家族が警察に通報。翌日、鶏小屋の惨状が明らかになりました。

私がその事実を知ったのは、さらに後のことでした。

鶏の餓死とF君の失踪との関係性は、今もなお不明のままです。

事件なのか、事故なのか、それすらも分かりません。

ただひとつ確かなのは──F君は鶏の死を目の当たりにし、そのまま姿を消してしまったということです。

時は流れ、話は現在へと戻ります。

半年前の夏のことです。
私は仕事で営業周りをしていた際、ある地域の掲示板に一枚のチラシが貼られているのを見つけました。

そこには「近隣で子供が行方不明になった」とあり、住民に情報提供を呼びかける内容が記されていました。

その子供が行方不明になったのは、2年前の夏であると書かれており、貼られていた場所が私の通っていた小学校の近くだったため、自然とF君のことが頭をよぎりました。

私はチラシの内容をじっくりと読み進めました。

そこには、次のような文言が記されていました。

「この十数年の間に、この学区では小学生の行方不明者が複数名出ています。
他の学区と比較しても、異常なほどの頻度です。
写真の子に心当たりがなくても、周辺で不審者を見かけたことのある方は、ぜひ情報をお寄せください」

それを読んだとき、「もしかすると、F君の件も含まれているのではないか」と強く思いました。

私はチラシに記載されていた連絡先をメモし、時期を見て、記載されていたご両親と連絡を取りました。

案の定、そのご両親はF君のことを知っていました。
彼らは強い確信を持っており──「行方不明になった子どもたちは、すべて同じ人物に誘拐されたのだ」と力説していました。

これまでに少なくとも3人が犠牲になっており、最初の事件がF君だったのだと、彼らは話していました。

ご自宅に招かれた際、室内のあらゆる部屋に子どもたちの写真が飾られており、私と話すときのご両親の様子も非常に情熱的というか、少し怖さすら感じるほどでした。

その熱量に圧倒されつつも、私自身、改めて大きな衝撃を受けました。

さらに、ご両親の話には根拠とされるものも存在していました。

行方不明になった子どもたちの家庭には、しばらくしてから「奇妙な手紙」が届くという共通点があったというのです。

3件の家庭にそれが届き、うち1通はこのご両親の元にも届いていました。

実際にその手紙を見せてもらいました。

手紙と言っても、文字が書かれているわけではありません。

細長い紙に、顔のような絵が描かれている──まるで「御札」のような、意味不明で不気味なものでした。

それが封筒に入れられて送られてきたというのです。

私が見たそれは、確かに気味の悪いもので、何か呪術的な意味を持っているのか、単なる悪戯なのか、私にはまったく判断がつきませんでした。

私はその御札を写真に収めさせてもらい、後日アップロードしました(※写真はこの投稿には含まれていません。見たい方は“行方不明になった友達 画像”などで検索してみてください)。

もし、これと似たようなものを見たことがある方がいれば、ぜひ教えていただけないでしょうか。

その後、ご両親は探偵を雇い、不審者に関する情報を収集させているとのことでした。

そして私が、F君失踪当時の出来事を詳細に記憶していると知ると、「ぜひ探偵と一度会って話をしてほしい」と要請されました。

後日、私は実際に探偵と会うことになりました。

正直なところ、私は例の“御札”に関して、どうして警察に届け出ていないのか疑問を抱いていました。
しかし、探偵によれば、警察にはすでに報告済みとのことでした。

ただし、送られてきた3通の手紙(もしくは御札)の内容や筆跡に一貫性がなく、警察としては「悪質な悪戯の可能性が高い」と判断しているようでした。

私が見せてもらった御札以外の2通は、いずれも文章が記された普通の手紙であり、しかも筆跡もまったく異なっていたそうです。

私が探偵に、「あのご両親の話は信じるに値すると思うか」と尋ねたところ、彼はこう答えました。

「手紙の信憑性はさておき、私の感覚では──“何か”が存在しているのは間違いないと思います」

それからしばらく、私はご両親とも探偵とも連絡を取らないままでした。

しかし、先月になって再び連絡が入り、「お会いしたいことがあります」と言われました。

指定された場所で待っていると、タクシーに乗った探偵が現れ、「乗ってください。確認したいことがあるんです」と私を車に乗せました。

車中で探偵は静かに語り始めました。

「実は最近、調査に一つ進展がありまして……」

彼の話をまとめると、こうでした。

数年前、郊外のある地域で、やたらと猫の死骸が捨てられているという事例が相次いでいました。

その地域を調査していた探偵は、そこにある廃墟──かつて大きなホテルだった建物に注目しました。

猫を殺していた人物は、その廃墟を利用していた可能性がある、というのです。

廃墟の内部には、明らかに異常な部屋がありました。

壁一面に貼られた張り紙には、墨で描かれた曼荼羅のような、複雑で不気味な図柄が描かれており、他の壁にも御札のような紙や写真などが多数貼られていたといいます。

さらに、室内には肉の腐敗したような臭いが微かに残っていたとのことでした。

そして、驚くべきことに──その張り紙に描かれていた絵の雰囲気が、F君のご両親宅に送られてきた“あの御札”と非常に似ていたのだそうです。

探偵曰く、「同じ人物が描いたとしか思えない」ほど、共通する特徴があったとのことでした。

この廃墟を、探偵はすでに以前からマークしており、数台の監視カメラを設置して、不審者が現れないかを日々記録していたそうです。

そして、ついに最近、カメラに「ある人物」が映りました。

それは、裸足でふらふらと廃墟を歩く、一人の老人でした。

白い病院服のような衣服を身にまとっており、明らかに異様な雰囲気を醸し出していたとのこと。

探偵はその映像を持って、近隣の病院などを訪ね、映像を確認してもらっていました。

そして、ついに一昨日、その人物を特定できたというのです。

タクシーは、ある老人ホームの前で停まりました。

探偵は言いました。

「この人が事件に関係しているかどうかは、まだ分かりません。ただ、あなたにこの人物の顔を見ていただき、率直な印象を聞かせてほしいのです」

私は動揺しながらも、探偵とともにホームの中へ入りました。

例の老人は、カメラに映った当日に老人ホームを無断で抜け出していたようで、職員の方も「おそらく本人で間違いない」との見解でした。

その人物の部屋に案内され、5メートルほど手前から彼を見た瞬間──私は直感的に、ある確信を抱きました。

「……この人、知ってる」

そう思わず声に出した私に、探偵は何とも言えない表情で「やはり、そうですか」と頷きました。

「え……ということは、やっぱり……」

「ええ。確認済みです。あなたが通っていた小学校で、当時用務員として働いていた人物です」

私は、あの日、ウジの件で助けを求めたときに冷たくあしらわれた“あの用務員”を、20年以上の時を経て再び目にしたのです。

老人となった彼はすっかり痴呆が進行しており、会話もまともには成り立ちませんでした。

呼びかけても反応が曖昧で、自分の名前すらはっきり言えず、独り言のように意味不明な言葉を呟いていました。

しかし、私の記憶にある“あの顔”は、確かにそこにありました。

その老人──いや、かつての用務員は、何かを呟きながら、虚ろな目で私たちを見つめていました。

言葉は断片的で、内容はほとんど理解できませんでしたが、その中でひときわ私の心に刺さった言葉がありました。

「鶏が死んだ事件、覚えてますか?」

その後に続いたのは、聞き取れない言葉の連なりでした。

「知らんよ、わたし。×××ウジが×××××……二回やぞ、二回。あー、捨てておけばよかった」

その「二回やぞ、二回」という言葉が、私の頭から離れません。

ここからは、完全に私の想像です。

私は、あの用務員が鶏を意図的に餓死させたのではないかと考えています。

F君は、偶然その事実に気づいてしまった──そして、口封じのために何らかの形で“排除”されたのではないか。

「二回やぞ、二回」

その言葉を私はこう解釈してしまうのです。

用務員は、私とF君の訪問を混同したのではないか。

私たちは背格好がよく似ていました。
そして、二人とも別々の日に、同じようにウジの件で彼に話しかけていた。

彼の中では、同じ子どもが“二度”来たように思えたのではないでしょうか。

ウジ虫の湧いた餌──それを知られたくなかった理由が何なのかは分かりません。

しかし、もし彼がそれを「見られてはいけないもの」と認識していたとしたら──

そして、二度目に現れた子ども(=F君)を「しつこい、危険な存在」と判断してしまったとしたら──

あの日、F君は、私の“身代わり”となって消えてしまったのかもしれない。

そんな考えが、ずっと頭から離れません。

この想像が事実かどうかは分かりません。
証拠も何もないのです。

ですが、私はこの件について考え続けてしまい、精神的にも体調的にも、かなり追い詰められてしまっています。

あの老人に会ったのは、それが最初で最後でした。

もう、再び会うことはないと思います。

現時点での状況ですが、最大の問題は──証拠が一つも存在しないという点です。

F君のご両親によれば、最近になって警察は以前よりも協力的な姿勢を見せてくれているそうですが、行方不明となった子どもたちの消息は、いまだにつかめていません。

探偵は、「まずはこの用務員が過去に住んでいた場所を徹底的に調査する」と語っていました。

私としては、これ以上、積極的に事件に関与することは控えるつもりです。

ですが、探偵からの情報は今後も共有してもらえることになっています。

長文を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

もし、この記事を読んで何か感じられたことや、御札の意味について心当たりがある方がいらっしゃいましたら、ぜひご意見をお寄せいただければ幸いです。

※以下は、当該投稿に寄せられた返信の抜粋です。


410:本当にあった怖い名無し:2007/03/15(木) 21:02:30 ID\:UgFwfYUW0

俺の中では何かが“ブロック”されていて、詳細は書けない。
でも、少しだけ触れておく。

あの御札は、密教におけるある“本尊様”を描いたものだ。
もともとは異国の神格で、猫の供物にも納得がいく。

子どもを守る力も一部にはあるんだけど──
おそらく西洋的な魔術の影響を受けて、意味が変質している。
だから今では、子どもに対してどう作用するのか分からない。


447:本当にあった怖い名無し:2007/03/16(金) 13:35:25 ID\:hmhFTDCT0

@410
それって「パズズ」じゃないの?


448:本当にあった怖い名無し:2007/03/16(金) 14:32:57 ID\:rdjOGzM+0

@447
違う。
あの御本尊は密教系の神だけど、神部(しんぶ)ではない。
書式は古神道のもの。というより、古神道のお札をベースにしている。

書けるのはここまで。

あえて忠告しておく。

あの絵を見て「気持ち悪い」「胸騒ぎがする」と感じた人は、深入りしない方がいい


投稿者より追記

どうも、昨日この話を投稿した者です。

この場を借りて、お礼を申し上げます。
さまざまな情報やご意見を寄せてくださった皆様、本当にありがとうございます。

私は2ちゃんねる自体は昔から利用していましたが、「オカルト板」は最近になって見るようになったばかりの初心者です。

そもそもこの投稿も、霊感のある知人から「オカルト板で相談してみたらどうか」と助言されたことがきっかけでした。

そしてその知人から、今回の投稿スレを読んだという電話がありました。

彼は、私がアップした“御札の写真”をこのスレで初めて見たそうです。

そのうえで彼は、非常に真剣な口調でこう言いました。

「ああいう危険なものを、ネット上に簡単に晒すべきではない」
「もし晒すなら、それに対する注意喚起を明記すべきだった」
「リンクの貼り方が無防備すぎる」

私はその忠告を重く受け止めることにしました。

すでに他の方も同様の注意を促してくださっているようですが、改めて申し上げます。

御札の画像をご覧になる方は、くれぐれも慎重にお願いいたします。

私自身、その内容がどれほどの意味や影響力を持つものか、詳しく理解できているわけではありません。

ですが、何らかの“覚悟”を持って接していただきたい──
そのように思っています。

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