ここにいたあ
公開日: 本当にあった怖い話 | 死ぬ程洒落にならない怖い話
13日に田舎の墓参りに行ってきた。
毎年恒例で、俺は東京で一人暮らしして初めての里帰りだった寺には一族郎党が集まり、仲の良い従兄弟のDも来ていた。
お経も終わり墓参りも終わって、寺の座敷でみんなくつろいでいたとき、俺は東京のことをいろいろ聞かれて、うざいなあと思いつつ受け答えしてた。
見ると、Dの奴が何か元気ない。どうしたのかと思い話し掛けると、Dはこんな話しをした。
昨晩Dが寝ていると、なにか布団の周りで気配がする。目を開けると、寝ている自分のまわりを何者かがグルグルと回っている。
びっくりしたDが目をこらしてよく見ると、鬼みたいのが小走りに回っていたそうだ。Dは金縛りに遭い声も出ない。
しばらく恐怖に凍りついていると、頭の左側にお坊さんが二人座っていて、お経を唱えている。
すると、走り回っていた鬼がピタッと止まり、Dをまたいで「ここにいたあ、ここにいたあ」と言って、覆い被さってこようとした。
「ぎゃーっ!」
そして翌日、つまり墓参りの日の朝に目が覚めた。あれは夢だったのかどうか分からないが、自分としては間違いなく現実だと思う。
俺はちょっと薄気味悪く思ったが「夢なんじゃない」とか言っていた。
そうしているうちに、座敷にはお坊さんも参加して、お酒とか飲んで盛り上がっていた。俺も参加し始めて、しばらく飲んでいた。
すると、ちょっと顔を赤くしたお坊さんが、すーっとDに近寄って「申し訳ないが、どうしようもない…」と、両肩に手を置いてシクシクと泣き出した。
突然のことにみんな驚いたが、酔っ払ったんだろうということでお開きになった。俺は実家に泊まり、翌日にはバイトがあったので東京に帰ってきた。
バイトが終わり部屋に帰ると、留守電に母親の声で『Dが亡くなったから電話くれ』と入っていた。
パニックになりながらも電話すると、Dが部屋で突然倒れ、病院に着く前に死んだということだった。脳内出血だろうとのこと。
翌朝一番で田舎に帰ると、昨日の深夜に寺のお坊さんも亡くなったということだった。こちらは心筋梗塞。
なんでまた…と思ったが、両親たちも「呼ばれたのかも」とかなんとか言っていた。俺にはDが言っていた話が、どうにも気になってしょうがない。
お坊さんもいない今、何かの因縁なのかどうか聞くことはできないが、調べてみようかとも思っている。
今日の夕方に東京に戻ってきたが、今ネットとかでいろいろ調べてます。俺にとってはマジに洒落にならない話なんです。