達磨女

Kate-Silhouette-KLE

海外旅行中、ブティックの試着室に入った妻がいつまで経っても戻ってこない。

不審に思った夫が扉を開けると、そこに妻の姿はなく、持って入った服だけが落ちていた。

現地警察に通報するも、目撃者がいない上、外国人である夫に警察は冷たく、早々に調査は打ち切られ、彼は帰国を余儀なくされた。

数年後、某国を訪れた夫は「だるま」と日本語の看板を掲げている店に立ち寄る。

そこは見せ物小屋で、やがて現れたのは両手両足を根元で切断され、壁に固定された真っ裸の“だるま”のような女だった。

舌も切断されているらしく、涎を垂らし、焦点の定まらない目で天井を見つめている。

その女は、あの日消えた妻だった。

関連記事

おかあさんといっしょの都市伝説 – 2 –

『おかあさんといっしょ』は50年以上続く子ども向けの教育番組だ。 歴史が長いだけに、都市伝説も数多く存在する。今回はその一つをご紹介しよう。 1993年より体操のお兄さんと…

ハカソヤ(長編)

ほんの数年前に知った私の母の故郷の習慣の話です。 うちの集落にはハカソヤという女限定の変な習慣があります。 ハカソヤにも色々あって、大きく分けてお祝いの言葉に使う場合と、お…

山道(フリー素材)

上位の存在

厳密に言うと、この話は俺が「洒落にならない程怖い」と思った体験ではない。 俺の嫁が「洒落にならない程怖い」と思ったであろう話である。 俺の嫁は俗に言う視える人で、俺は全くの…

田舎の風景(フリー素材)

おごめご様

おごめご様というのがいると、従妹から聞いた。何でも小学校に出るらしい。 その小学校には俺も通ったんだが、旧館と新館に分かれている。 その二つの棟を繋ぐ渡り廊下の側、植え込み…

夜道(フリー写真)

連れて帰ったもの

私が小学3年生の夏休みに体験した話。 私が住んでいた所は凄い田舎で、地域の子供会の恒例行事で七夕会があった。 七夕はもう過ぎているけど、要するに皆で集まって、クイズなどの出…

東京五輪

ナレーションの声

小学5年生の頃、アメリカでワールドカップが開催された。 だからという訳ではないけど、幼馴染のNとよく近所の公園でサッカーをしていた。 ある日、「たまには別の公園でやろう」と…

アケミちゃん

夜の電車で出会ったアケミちゃん

大学に入学し、少しずつ友人ができ始めたある日のことだった。 夜の九時過ぎ、仲良くなった友人Aから電話がかかってきた。 「今、うちにBとCも来てるんだ。暇なら来ないか?」 …

古いタンス(フリー素材)

入ってはいけない部屋

俺の家は田舎で、子供の頃から「絶対に入るな」と言われていた部屋があった。 入るなと言われれば入りたくなるのが人の性というもので、俺は中学生の頃にこっそり入ってみた。 何とい…

夜のビル街(フリー写真)

呻き声

俺のツレはいわゆる夜中の警備のバイトをしていて、これはそのツレにまつわる話。 ある日、そいつが言うには、 「何かさ、最近、バイト中に鳴き声がするんだよな」 「まあ、近…

奇声を発するおっさん

俺はあるマンションに住んでいるんだが、2ヵ月くらい前、真上の部屋に人の善さそうな初老のおっさんが引っ越してきた。 朝にゴミ出しをしていると「おはようございます」と笑顔で挨拶してく…