迷惑電話

公開日: 洒落にならない怖い話

携帯電話

ある日、知らない番号から電話が掛かってきて、おばさんの声で「鈴木さん?」と聞かれた。

でも自分は田中(仮名)なので、「いいえ違います」と答えたら「じゃあ誰?」と言われた。

びっくりしたし少しイラッときたから、「誰って言いませんよ、しかもいきなり失礼じゃないですか」と言ったら電話が切れた。

何だろうと思っていたら、数日後にまた知らない番号(多分同じ番号)から電話。

出てみたらまた同じおばさんが「鈴木さん?」と聞いてくるから、「違いますよ」と言い電話を切って、その番号を着信拒否した。

そして一週間くらい経ってから、今度は別の知らない番号から電話。

『最近変なの多いな?』と思いながら、取り敢えず無言で出たらまた同じおばさんだった。

「鈴木さん? 鈴木さんでしょ?」と何故か嬉しそうに言ってきた。

もう気持ち悪いし無言で切る。

そしたら今度はすぐに電話が掛かってきた。

驚いたけど、いい加減腹が立ったので注意しようと思って出た。

「あっ鈴木さん? 鈴木さんだね?」

また何故か嬉しそうな声。

「ちゃんと見て電話掛けて下さい。違いますって。何回もしつこいですよ」

と怒りながら言ったら…、そのおばさんが男みたいな低い声で、

「うん、だって田中だもんね」

と言い、電話が切れた。

凄く怖くて、その後しばらく電話が掛かってくる度にビクッとした。

関連記事

アケミちゃん(長編)

大学に入学し友達も何人かできたある日の事、仲良くなった友人Aから、同じく仲良くなったBとCも遊びにきているので、今からうちに来ないかと電話があった。 時間はもう夜の9時過ぎくらい…

ゆかりちゃん

ゆかりちゃんという女の子がいた。ゆかりちゃんは、お父さん、お母さんと3人で幸せに暮らしていた。 しかし、ゆかりちゃんが小学校5年生の時に、お父さんが事故で亡くなってしまった。 …

高過ぎる電気代

ある新婚夫婦がマイホームを購入するため不動産屋を訪ねた。 その夫婦は、少し古いが希望に合う物件を見つけることが出来た。 そこは古い和風屋敷の一軒家。値段の割には良い物件。 …

夜空の月(フリー写真)

砂利を踏む足音

学生の頃、実家を離れて大学の寮に住んでいた。 田舎の学校で、その敷地から歩いて20分程度の場所にある寮だった。 周りは住宅地で、古くからあるお宅と、ベッドタウン化による新興…

プール

臨時の用務員

小学校の時、用務員さんが急病で一度だけ代理の人が来た。 あまり長くは居なかったけど、まあ普通のおじさん。 ただ妙だったのは、すべての女子に「ヨリコちゃん」と話しかける。 …

ホテル(フリー素材)

記憶の中の友人

結婚式の衣装合わせで、某有名ホテルに行った時の事。 ロビーで偶然、中学時代の同級生に会った。 昔は凄く痩せていて病弱で、暗い女の子という印象だったが、今ではふっくらと普通の…

石段(フリー写真)

朽ち果てた神社の夢

二十年前から現在まで続く話。 俺は当時大学生で、夏休みに車で田舎の実家に帰省していた。 その時は、普段帰省時に通っている道とは別の道を通って行った。 見渡す限りの山や…

神社(フリー素材)

雁姫様の鏡

昔、修学旅行中に先生から聞いた話。 先生が小学4年生まで住んでいた町はど田舎で、子供の遊び場と言ったら遊具のある近所のお宮だったそうだ。 そのお宮には元々祭られている神様と…

裏S区(長編)

九州のある地域の話。 仮だが、S区という地域の山を越えた地域の、裏S区って呼ばれている地域の話。 現在では裏とは言わずに「新S区」と呼ばれているが、じいちゃんとばあちゃんは…

○○ガマ

9年前のある日、釣りに出かけていた兄が顔を蒼白にして帰宅した。 がたがた震えている兄に話を聞くと、 「怖い思いをした。○○ガマへは行くな。あかんぞあそこは、コワイモンがおる…