白く光る顔

公開日: 心霊体験

星空の下(フリー写真)

数年前、とある湖畔で朝釣りのためにキャンプをしていた時のこと。

夜中の焚き火中に、

「たすけてえええ!だれかあ!」

と女性の声が湖の方から聞こえて来て、そちらに目をやると女性が溺れていた。

びっくりしたと同時に、助けなきゃと思い立ち上がると、連れが

「お前、何する気だよ!」と引き留めた。

「助けなきゃ」と言い返したら、

「お前、ちょっと冷静になってよく見てみろ!ここから離れていて真っ暗なのに、何で顔がはっきり見えているんだよ!」と言う。

改めて見ると、水の中でばしゃばしゃ藻掻くこともやめ、じっとこちらを見ている。

足が立つ場所ではないし、暗闇のはずなのに、白く光っていて顔の造作まではっきり分かる。

焚き火は埋み火だったから、こちらの光が届く訳も無い。

ぞっとして、言うまでもなく即刻撤収。

そちらを見ないようにして撤収作業をしていたのだけど、その間もずっと視線を感じていた。

関連記事

白猫(フリー写真)

先導する猫

小学生の頃、親戚の家に遊びに行ったら痩せてガリガリの子猫が庭にいた。 両親にせがんで家に連れて帰り、思い切り可愛がった。 猫は太って元気になり、小学生の私を途中まで迎えに来…

学校(フリー写真)

霊感教師と霊感生徒

俺の母は小学校の教師をしている。 霊感があり、赴任先によっては肉体的にかなりキツかったらしい。 ※ 10年前に4年生のクラスを担任した時、かなりの霊感を持つ女生徒Aと出会った…

しゃべれるんだな

自宅のトイレに大きな窓がある。ちょうどトイレの床から1メートルくらいのところに。 トイレの臭いを換気する為に、いつも10センチほど開けっ放し。 まあ、自宅代わりに借りてるビ…

立ち入り禁止の波止場

友達の怖い話。 仮にK君としよう。彼は沖縄出身で、若い頃は結構やんちゃなやつ。 「本当におばけなんかいるのか? じゃあ、試してみよう」なんて言うやつだった。 例えば夜…

逆拍手の女性

逆拍手の女性にまつわる都市伝説

1999年、ある悲報が全国を駆け巡りました。 女性3人組ユニット『カントリー娘。』のメンバー、柳原尋美(やなぎはら・ひろみ)さんが、デビュー目前にして突然この世を去ったのです。…

田舎

夏休みの訪問

中学1年の夏、私の祖母の兄、泰造さんが亡くなりました。私はほとんど面識がなかったものの、夏休みということで両親と一緒に葬式に参列するため、初めて泰造さんの屋敷を訪れました。 そ…

黒電話

壁の中の秘密

1998年、草野正人さん(仮名・35歳)は転職を機に、家族3人で新しいマンションに引っ越した。 築年数の経過したこの建物は、3人の生活には十分な空間を提供していた。 異変…

トンネル(フリー写真)

トンネルの少女

二十数年生きて来て、心霊現象なんて体験したことはなかった。 怖い話は好きだけど、そんなの実際には有り得ないと否定的だった。 今は、肯定する気もないけど否定もできない。 ※…

薄明かりの中で

灯りの中の男

H君は、ちょっと変わった高校生だった。 今どき珍しく、携帯電話も持っておらず、自宅にはゲーム機もない。 そんな彼が夢中になっているのは、なんと「ラジオ」だった。 夜…

アパート(フリー写真)

暗い部屋

大学2年生の冬、住んでいたアパートの契約が切れるところだったので心機一転、引越しをしようと部屋探しをしていた。 不動産屋へ行き希望を伝えると、駅から近くて割と綺麗なマンションを紹…