アパート101号室
昨年夏に放送された深夜の特別番組「超オフレコの恐怖体験」は、その名の通り、心霊現象が囁かれる物件を取り上げ、視聴者に寒気をもたらした一夜でした。
伝説に包まれたある古びたアパートの101号室が特集されました。ここは居住者が短期間で引越しを繰り返す「幽霊部屋」として地元では有名でした。
番組のスタッフがその部屋の取材に向かう前、不吉な予兆が現れたかのように、彼らは交通事故に遭遇しました。
取材チームはアパートに到着し、壁に掛けられた額の裏を調べたところ、お札が隠されているのを発見しました。
さらに彼らは、押入れの壁に女性のものと思しき長い髪の毛と、爪でかきむしられたような痕跡を目にしました。
隣室の居住者に話を聞くと、101号室は無人のはずなのに、夜な夜な壁を引っかく音が聞こえるとの証言を得ました。
お風呂場は、何かを隠すかのように奇妙な色で塗りつぶされており、改装されていました。
番組チームは一晩その部屋で過ごしましたが、特筆すべき異変は起こりませんでした。
記憶が曖昧な部分もありますが、霊の噂が広まったのは、約3年前に一人の女性入居者が部屋を去ってからのことでした。
後日、取材チームは不動産屋で調査を行い、その女性の名前や実家の住所を見つけ出しました。
電話で実家に問い合わせた際、「○○さんはいらっしゃいますか?」と尋ねると、『なぜそのようなことをお尋ねするのですか?』といら立った声で通話を切られました。
謎を追い、女性の実家まで足を運んだチームは、インターホン越しに再びその質問を投げかけました。すると、『あー…○○はもう、この世にいません…』と悲しげな返答が返ってきました。
その女性が亡くなったのは、アパートを出て間もない時期でした。死因は交通事故か病気だったか、記憶が定かではありません。
番組の中で和田アキ子さんは、この結果が幽霊だと断定することはできないとしながらも、この女性の霊がアパートに現れるという考えが否定できないと述べていました。
しかし、どう転んでもこの女性が101号室に現れる幽霊であるという結論以外に考えられない、そう番組は視聴者に提示していました。
番組側は故人の家族に配慮して、詳しい情報は求めませんでしたが、この未解決の謎は、今でも私の心に深い恐怖として残っています。