名前入力が招く霊障の噂

ゲーム

近年、インターネットを中心にある奇妙な噂がささやかれています。
その噂は、ゲーム内の“名前入力”にまつわるものです。

その名は――「ツナカユリコ」。

何の変哲もない、どこにでもありそうな日本人の名前。
しかしこの名前を、ゲームの主人公に付けた途端に“不吉なこと”が起きるとされているのです。

一部のユーザーの証言によると、
「RPGの名前入力画面で“ツナカユリコ”と入力した直後から、原因不明の高熱に襲われ、病院に運ばれた」
という報告があります。

また、別の例では、
「友人が冗談半分でその名前を使ったところ、翌日にアキレス腱を切ってしまい、さらに高熱を出した」
という不可解な事故も語られています。

いずれのケースにも共通しているのは、ゲームのプレイ中や直後に体調不良や事故、あるいは心理的な異変が起こるという点です。

さらに興味深いのは、そうした出来事が「霊障」とも結びつけられていることです。

つまり、単なる偶然や健康不良ではなく、
何らかの“見えざる存在”の介入があったのではないかという解釈もあるのです。

現段階では、“発生条件”や“回避策”については一切不明。

一部では「プレイヤーの信心深さ」や「ゲームジャンルとの相性」などが関係しているのではとも囁かれていますが、確たる情報はありません。

中には、こんな報告もあります。

「ツナカユリコという名前を入力した瞬間から、背後からの視線をずっと感じるようになった」
「誰もいないはずの部屋で、ふと振り返ると、そこに“気配”があった」
「テレビやモニターに“影”のようなものが映ることがあった」

いずれも証拠の残りづらい“感覚”の領域の話ではありますが、複数の人間が同様の異変を口にしているという点で、看過できないものがあります。

「ツナカユリコ」は、なぜ“選ばれてしまった名前”なのか。

そもそもこれは偶然の一致か、それともある種の都市伝説として創作された話なのか。
あるいは、実在の人物との関わりがある名前なのか……。

現在もその正体は謎のままです。

しかし、少なくとも、
「何となく怖いからやめておこう」
そう思わせるだけの“奇妙な実例”が、静かに増え続けているのも事実です。

あなたがもし、ゲームの名前入力欄に「ツナカユリコ」と打ち込むことがあれば――

そのとき、背後に気配を感じても、どうか振り返らないでください。

それが何かを、見てしまう前に。

関連記事

灯台(フリー写真)

囁く声と黒い影

昔、酒に酔った父から聞いた話だ。 私の実家は曳船業…簡単に言うと船乗りをしている。 海では不思議なことや怖いことが数多く起きるらしく、その中の一つに『囁く声と黒い影』という…

中古車

視える娘

娘が3才くらいの時、中古で大き目の車を買いました。 私も娘も大喜びで、大きな車を楽しんでいました。 しかし数週間経った頃、娘が車に乗り込もうとした時に急に大泣き。 「…

小さな手

学校に付き物の怪談ですが、表に出ない怪談もあるのです。 わたしが転勤した学校での話です。 美術を教えているわたしは、作家活動として自ら油絵も描いていました。 住まいは…

教授のメモ

ある大学の教授が突然、姿をくらませた。 教授と同じ研究室の助手は、最初は旅行にでも行ったのだろうと考えたが、大学側に問い合わせても教授の行方は判らないと言う。 助手はどうし…

遊園地(フリー写真)

富士見ランド

私が着ぐるみショーのお仕事を始めて一年が過ぎようとしていた頃です。 アンパンマンのショーで、静岡県の『富士見ランド』という現場へ二泊三日で行くことになりました。 その時の…

人身事故

6月の中旬頃の話。 当時俺はバイクを買ったばかりで、大学が終わるとしょっちゅう一人でバイクに乗ってあちこちを走り回っていた。 その日も特にする事がなかったので、次の日が休み…

夜の町並み(フリー写真)

夜道のいざない

去年の7月くらいに体験した話。 うちの母方の祖父が亡くなり、通夜と葬式のため親の実家の北海道へ行きました。 当日は祖父を神社まで運び、その夜は従兄弟や叔父、叔母とみんなでそ…

ゲーム

ネトゲの予知能力者

友人が参加していたネットゲームのギルドには、多彩なプレイヤーがいた。その中でも特に際立っていたのがAさんだ。彼は対人戦に驚異的な強さを見せ、時折奇妙な言動で他のメンバーを驚かせていた…

障子(フリー写真)

女の影

今から15年前、中学の野球部合宿での話。 夏の合宿で毎年使っていた宿が廃業し、その年から宿が変わった。 民宿でもホテルでもなく、そこは公民館というか町営の集会所のようなとこ…

神社の鳥居(フリー写真)

隠しごと

人混みに紛れて妙なものが見えることに気付いたのは、去年の暮れからだ。 顔を両手で覆っている人間である。ちょうど赤ん坊をあやす時の格好だ。 駅の雑踏のように絶えず人が動いて…