妹を守るために

7bf1262d8655d7df162bdae8637f66c7

これは知り合いの女性から聞いたマジで洒落にならない話です。一部変更してありますが、殆ど実話です。

その女性(24歳)と非常に仲の良いA子が話してくれたそうです。

A子には3歳年上のお姉さんがいました。姉妹仲もよく、A子は短大のことや彼氏のことなどで、度々お姉さんに相談相手になってもらっていました。

その日の夜、お姉さんがお風呂から上がり、居間で父親や母親、そしてA子さんたちと雑談していました。

パジャマ姿のお姉さんはしばらくして2階の自分の部屋へと引き上げていきました。

A子さんは自分もお風呂に入ろうとしたのですが、就職のことでお姉さんに相談したいことがあり、お姉さんの部屋へ行きました。

ドアを開けると、お姉さんは化粧台の鏡に向かって髪をとかしていましたが、鏡に向かったまま、

「A子ちゃん、お父さんとお母さんのところへ行ってなさい!」

と静かに強い口調で言ったそうです。

「でも、お姉ちゃん、ちょっと話があるんだけど…」

と言ったものの、いつにないお姉さんの恐い口調にA子さんはすごすごと居間に引き返したそうです。

その後、惨劇が起こりました。

お姉さんが座っていた背後にはベッドがあるのですが、その下に包丁を持った男が潜んでいたのです。

お姉さんはその男に無惨にも刺し殺されてしまったのです。

犯人はストーカーでしたが、お姉さんは化粧台で髪をとかしている時に、鏡越しに犯人を見てしまったのですね。

それで、妹を守ろうとしたのです。

この事件は新聞でも報道されました。

関連記事

和室(フリー写真)

あき様

私の家は代々旅館を営んでおり、大きな旅館のため私が幼少の頃も両親共に忙しく、会話をした記憶も殆どありませんでした。 店の者が毎日学園まで迎えに来るので、学友と遊びに行く事も出来ず…

古い一軒家(フリー写真)

黒く塗り潰された家

昔、今とは別の仕事をしていた時の事。 その日はいつも居る支店とは違う支店エリアでの営業で、渡された地図を片手に歩きながら、飛び込み営業の仕事だった。 目的のエリアに着いて『…

不気味な山道(フリー写真)

頭が無いおじちゃん

知り合いが体験した話。 彼女は幼い娘さんを連れて、よく山菜採りに出掛けているのだという。 ※ その日も彼女は、二人で近場の山に入っていた。 なかなかの収穫を上げ、下山し…

疑問符

ラッキーコール

私は工務店に勤めておりまして、3年程前にある幼稚園までバスの車庫を修理に行った時の事です。 その幼稚園はお寺が経営していまして、車庫は園舎を横に抜けた本堂裏の広場にありました。 …

夜の林(フリー写真)

お経の声

大学時代の話。実話です。 俺が通っていた大学の近くに自殺の名所があった。 林を暫く入った所にある滝(以下S滝)だ。 自殺の名所と言っても、景色も良く街からそんなに遠…

沼(フリー写真)

そこなし沼にて

親父は教師をしており、俺は小学二年生まで教員住宅に住んでいた。 俺の家の裏は林になっていて、そこに『そこなし沼』と呼ばれる沼があった。 その周りではクワガタが沢山捕れるの…

ラーメン屋

ある大学生が買い物の帰り、小腹が空いたのでたまたま目についたラーメン屋に入った。 特に期待はしていなかったのだが、これが意外と美味くて彼はご機嫌だった。 帰り際に「おばちゃ…

彼の予見

昔付き合っていた彼氏の話。 当時高校生だった私は、思春期にありがちな『情緒不安定』で、夜中に一人で泣く事が多かった。 当時はまだ携帯なんて高嶺の花で、ポケベルしかなかったん…

黒ピグモン

深夜にひとりで残業をしていた時の話。 数年前の12月の週末、翌週までに納品しなければいけない仕事をこなす為に、ひとり事務所に残って残業していた。 気付けば深夜0時近く。連日…

笑う女

旅先で知り合ったアニキに聞かせてもらった話。 このアニキが昔、長野と岐阜の県境辺りを旅していた頃、山間の小さな集落を通りかかった。 陽も暮れ掛けて夕焼け空に照らされた小さい…