教授のメモ

公開日: 怖い話 | 都市伝説

jishinkumo

ある大学の教授が突然、姿をくらませた。

教授と同じ研究室の助手は、最初は旅行にでも行ったのだろうと考えたが、大学側に問い合わせても教授の行方は判らないと言う。

助手はどうしても教授に用事があったため、教授の自宅を訪問してみた。

しかし、そこには誰も居らず、教授の家族すら見当たらない。

それどころか、生活している様子を全く感じないのだ。

心配になった助手は、教授の身に何か起きたのではないかと今度は研究室を調べてみた。

すると、教授の机の引き出しから、一枚の見慣れないメモが見つかる。

もしかして、教授からの手紙だろうか…と思い、助手はそのメモを読んでみた。

「このメモを見た人がいるなら、今すぐ東京から離れなさい。

理由は詳しく言えないが、少なくとも200×年○月○日から201×年○月○日までの間は関東地方にいてはいけない。

そして、このメモの内容を決して広めてはいけない。もしそうすれば、日本中がパニックになってしまう」

助手はメモをポケットにしまい込み、急いで荷物の支度をした。

その教授は地震予知連の世界的な権威者だったのだ。


note 開設のお知らせ

いつも当ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。
今後もこちらでの更新は続けてまいりますが、note では、より頻度高く記事を投稿しております。

同じテーマの別エピソードも掲載しておりますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

怖い話・異世界に行った話・都市伝説まとめ - ミステリー | note

最新情報は ミステリー公式 X アカウント にて随時発信しております。ぜひフォローいただけますと幸いです。

関連記事

線路

北陸本線の夜

二日前、11月6日の終電間近に北陸本線のある無人駅で不思議な出来事がありました。 音楽を聴きながら列車を待っていた私は、列車接近のアナウンスもなく突然、ホームに列車が現れたこと…

樹木(フリー写真)

顔の群れ

私が以前住んでいた家の真横に、樹齢何十年という程の大きな樹がありました。 我が家の裏に住む住人の所有物であったのですが、我が家はその木のお陰で大変迷惑を被っていたのです。 …

鳥山明ロード

漫画家の鳥山明が、不便な地元愛知県から東京へと引越しを考えると言ったところ、鳥山の莫大な税収が入らなくなる事を恐れた地元行政側が、鳥山邸の前から当時の名古屋空港の場所までの直通道路を急…

ビル(フリー写真)

曰くのある場所

得意先が移転し、お祝いを兼ねて訪れた。 そこは1階が店舗で2階が事務所。 取り敢えず事務所で話を聞くからと、店舗の奥の給湯室から伸びる階段で2階に上がる。 しかしこ…

雪山のロッジ(フリー写真)

フデバコさん

幼稚園の行事で、雪山の宿泊施設へ泊まりに行きました。 小さなホテルに泊まるグループと、ロッジに泊まるグループに分かれていて、私はロッジに泊まるグループになりました。 「寒い…

蝋燭

大戦中の呪いの儀式

第二次世界大戦中、日本とドイツは最後まで同盟関係を維持し、戦い続けました。 しかし、日独が直接的に共同作戦を展開することはほとんどなく、最終的には両国ともに本土を連合国軍に制圧…

瀬戸内海

送り船

二年前の夏休みの話。 友達の田舎が四国のど田舎なんだけど、部活のメンバー四人で旅行がてら泊めてもらうことになった。 瀬戸内海に面する岬の先端にある家で、当然家の真横はもう、…

疫病神

20年くらい前、高校生の時一人で留守番をしていたら、インターホンが鳴った。 出てみると、乞食みたいなのが立っていて「この家には死神がついている」と言い残して立ち去っていった。 それから…

繰り返す家族

小三のある男の子が体験した話だ。 男の子はその日、学校が終わって一旦帰宅してから、仲の良い友達と一緒に近くの公園で遊ぶことにした。 夕方になるまでかくれんぼをしていたら、珍…

田舎の風景(フリー素材)

おごめご様

おごめご様というのがいると、従妹から聞いた。何でも小学校に出るらしい。 その小学校には俺も通ったんだが、旧館と新館に分かれている。 その二つの棟を繋ぐ渡り廊下の側、植え込み…