長編

ガラス戸の向こう

この事件が起きるまで、俺は心霊現象肯定派だった。でも今は肯定も否定もしない。 今から十二年前、俺は仕事の都合で部屋を引っ越すことになった。 その部屋は会社が…

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お守りばばあ

俺が小学生だった頃、地元に有名な変人の婆さんが居た。渾名は『お守りばばあ』。 お守りばばあは、俺が通っていた小学校の正門前に、夕方頃になるといつも立っていた…

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ミヤウチ様

うちの家には神様を祭ってあるのだが(別に神社などではない)、そこはちょっとした神棚ではなく八畳の部屋を占領する祭壇なんだ。 小振りな米俵を積んだり縄を張った…

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かわいい人形

昔のことなので曖昧なところも多いけど投稿します。 こんなことを自分で言うのは何なのだが、私は小さい頃、結構可愛かった。 今はどうかというのは、喪女だというこ…

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よりかたさま

会社の新入社員研修の時に同じ部屋だった、同期のAから聞いた話。 研修中に毎晩魘されていて煩いので、問い質したら冗談めかして以下のような話を始めた。 多分作り…

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溶接

大学一回生の冬。俺は自分の部屋で英語の課題を片付けていた。 その頃はまだそれなりに授業も出ていたし、単位も何とか取ろうと頑張っていた。 ショボショボする目で…

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晴美の末路

へへへ、おはようございます。 今日は生憎天気が悪いようで。あの時もちょうど今日みたいな雨空だったな。 あ、いえね、こっちの話でして。え? 聞きたい? そんな…

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辰眼童(シマナオ)さま

もう8年前になるかな…。 当時はまだ高校生で、夏休みの時期でした。 6年ぶりに遠くに住んでる祖父母に会うと父が言いました。 俺は夏休みもそろそろ終わりで、遊…

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かえるのうた

ある年末の事です。会社の先輩からこんな誘いを受けました。 「年末年始は実家に帰るんだけど、良かったらうちで一緒に年越ししない? おもしろい行事があるのよ。一…

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狐の加護を受ける家系

| ほんのり怖い話 | 長編

自分の家には、呪いと言うよりは加護みたいなものがあるらしい。 その内容は、何故か取引相手や仕事仲間が事故に遭わなくなったり、病気が治ったり出世したり、良縁に…

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仮母女(かもめ)

若干の脚色はありますが、友人の兄の体験を本人目線で書いたものです。 ※ 今日は彼女の洋子と初めての一泊旅行。と言っても、家から電車で二時間ほどの県内北部にあ…

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テンポポ様

俺の地元には奇妙な風習がある。 その行事の行われる山は標高こそ200メートル程度と低いが、一本の腐った締め縄のようなものでお山をぐるりと囲んであった。 女は…

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禁断の地

これは俺の祖父の父(曽祖父)が体験した話だそうです。 大正時代の話です。大分昔ですね。曾爺ちゃんを仮に「正夫」としておきますね。 ※ 正夫は狩りが趣味だった…

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