留め置き棚に残る消印
洲影の郵便局の裏には、配らない葉書を入れる留め置き棚がある。入るのは消印の日付が翌日になっている葉書だけで、切手は貼られていない。宛名はいつも浜通りの十一軒。先…
洲影の郵便局の裏には、配らない葉書を入れる留め置き棚がある。入るのは消印の日付が翌日になっている葉書だけで、切手は貼られていない。宛名はいつも浜通りの十一軒。先…
能登半島の先端近くにある無人の入江で海底調査を行った潜水士が、深度計も時計も狂う海域で人の手による石段を発見する。石段を十段上った先に広がっていたのは、潮の止ま…
出張帰りに無人駅で押した駅スタンプには、なぜか四年半先、十二年先、二十年先の日付が刻まれていた。古びた台帳と紺色の作業着の老人が示した、数十年前から続く決まりと…
引っ越し先の古い団地で見つけた、十五年前の日付で止まった日めくりカレンダー。何度捨てても壁に戻ってくるそれは、この部屋の時間そのものを支配しているようだった。…
那須野が原の写真館を継いだ年、疏水の改修を撮ったフィルムのコマ番号がひとつだけ飛んでいました。景色がつながるように並べ直した晩、庭の外にあったのは石積みの水路と…
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