異世界の港と消えた潮
昭和の遠洋漁船で夜の見張りに立っていた俺は、凪の霧の晩、気づくと異世界の浜辺にいた。潮を力に栄えた並行世界の日本が黙した理由、意識から切り離されて勝手に動く身体…
昭和の遠洋漁船で夜の見張りに立っていた俺は、凪の霧の晩、気づくと異世界の浜辺にいた。潮を力に栄えた並行世界の日本が黙した理由、意識から切り離されて勝手に動く身体…
夜勤明けに毎朝寄っていたコンビニで、私と全く同じ服装の人が、いつも十分前に同じ缶を二本買って消えていた。異世界に住むもう一人の私と、同じ街で生きていた当時の不思…
出張帰りに最終新幹線を逃し、群馬のローカル駅で夜を明かそうとした夜、行き先表示に『終点』とだけ書かれたバスがやって来た。乗り込んだ私が降りた先は、亡くなったはず…
仕事帰りに立ち寄った山陰の温泉街。地図アプリが固まったまま迷い込んだ柳の路地の奥に、橘屋という古い旅館の提灯が揺れていた。翌朝目覚めると、私は車の中にいた。…