土間の履物が一足多い家
兵庫の旧鉱山の集落には、三つになるまでの子をみどりの水に近づけてはいけないという古い決まりがありました。三歳だった妹が縁側で静かに語り出した前世らしき記憶と、残…
兵庫の旧鉱山の集落には、三つになるまでの子をみどりの水に近づけてはいけないという古い決まりがありました。三歳だった妹が縁側で静かに語り出した前世らしき記憶と、残…
十七で入った山陰の温泉宿には、十九年も離れに逗留する客がいました。障子は開けない、開いていたら閉めずに下がる、顔を見たらその日のうちに宿を出る。この三つの決まり…
昭和41年、伊那谷の旧家へ奉公に上がった私が最初に教わった決まりは、五人家族に膳を六つ出すことだった。湿った茶碗の縁、誰もいない部屋の青い畳、毎年育っていく誂え…