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仮面の男

十七で入った山陰の温泉宿には、十九年も離れに逗留する客がいました。障子は開けない、開いていたら閉めずに下がる、顔を見たらその日のうちに宿を出る。この三つの決まり…

六つ目の膳

昭和41年、伊那谷の旧家へ奉公に上がった私が最初に教わった決まりは、五人家族に膳を六つ出すことだった。湿った茶碗の縁、誰もいない部屋の青い畳、毎年育っていく誂え…