同い年の父

公開日: 心霊ちょっと良い話

駅のホーム(フリー写真)

今まで誰に言っても信じてもらえなかった話だけど、俺は同い年(当時27歳)の親父と話をしたことがある。

親父は俺が4歳の時に死んだのだが…。

俺が東京から実家に帰る途中の田舎の駅で乗り継ぎを待ってると、隣に座る同い年ぐらいの作業服を着た青年。

誰も居ない夜の駅で気持ち悪かったのもあって、くだらないことを話した。

お互い『マヨラー(マヨネーズを好物とする人)』で、意気投合した。

同い年だった。

「俺は病気なのに子供作って大変なんだ」

とも言っていた。

色々なことを話し、俺の仕事を言うとニヤっとして、

「すごいなぁ…」

と嬉しそうに言っていた。

そして、

「そうか…良かった。立派な大人なんだな、○○も」

と、言っていなかった俺の名前。

「何で知ってんだ?」

と聞くと、

「忘れるもんか。俺が付けた名前だ。俺の名前は○○。お前の親父だよ」

と言って、電車が来るのと同時に消えた。

実家に帰るとたまたま親父の命日らしく、お袋が親父が好きだったほうれん草のマヨネーズあえを供えていた。

そう言えば、

「マヨネーズとほうれん草が美味い」

と言っていた。

本当に好きだったんだ…。


note 開設のお知らせ

いつも当ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。
今後もこちらでの更新は続けてまいりますが、note では、より頻度高く記事を投稿しております。

同じテーマの別エピソードも掲載しておりますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

怖い話・異世界に行った話・都市伝説まとめ - ミステリー | note

最新情報は ミステリー公式 X アカウント にて随時発信しております。ぜひフォローいただけますと幸いです。

関連記事

神社のお姉さん

友達から聞いた話なので詳しくは判らないのだけど、嘘や見栄とは縁のない子が言っていたことなので、きっと実話。 友達は霊感持ちではないが、小学生の頃に霊か神仏としか思えないものに会っ…

飲み屋街(フリー素材)

常連客

学生時代、叔父が経営する小さな小料理屋(居酒屋)で手伝いをしていた。 常連客の中に、70代のMさんという真っ白な頭の爺様が居た。 ほぼ毎日、開店時間の16時から24時くらい…

消防車の玩具(フリー写真)

おもちゃの消防車

この話を知っている方も多いかと思いますが、投稿します。 これは毎日新聞の記者さんが実際に聞き、掲載したお話です。 ある日の雨の降る夜、会社から家路を急いでいたAさんが、田…

四つ葉のクローバー(フリー素材)

おじさんの予言

あれは11年前、某ビール会社の販促員のパートをしている時に、ある酒屋に伺った時のことです。 二回目にその酒屋へ訪問の際、お店の娘さんに 「あなたに膜のようなものが掛かって見…

空(フリー写真)

石屋のバイト

私は二十歳の頃、石屋でバイトをしていました。 ある日、お墓へ工事に行くと、隣の墓地に自分の母親くらいのおばさんが居ました。 なぜかその人は、私の働く姿を見守るような目で見て…

版画(フリー素材)

婆ちゃんの戦時中の話

昔、婆ちゃんから聞いた戦時中の話を一つ。 第二次世界大戦中、うちの婆ちゃん(サノ)が10歳の頃の話です。 ※ 婆ちゃんはお姉さんと避難のために親元を離れ、田舎の遠い親戚の家に…

手を握る(フリー写真)

義母と過ごした時間

思いつくままつらつら書いたので、長くなってしまいました。 苦痛な方はどうぞスルーしてください。苦労を支え合った義母との思い出です。 ※ 私が妊娠7ヶ月頃のこと。 大阪で…

バレンタインチョコ(フリー写真)

おさげの女の子

今から十年以上前、当時高校生だったおいら。 アメリカのバレンタインデーは、好意を持った相手に男女問わずプレゼントをするらしい。 その話を聞きかじり、 『よし!それな…

白無垢の花嫁

白無垢の花嫁さん

俺がまだ小学低学年の頃に体験した話。 俺の家は当時、夏になると田舎に帰っていたんだよね。 そんな時に必ず泊まる小さな民宿があるんだ。 各部屋の入り口はドアではなく襖…

蝋燭(フリー写真)

お地蔵さん

私の地元では年に2回「お地蔵さん」という行事と言うか、お寺のお参りイベントみたいものがあるんです。 あるお寺に行き、あの世で幸せにしていて欲しい亡くなった方の名前を読み上げて、…