時空を超えて

住宅街

私が高校生の頃の体験です。その日は友人と遊んだ後、家(一戸建ての3階)に帰り、リラックスしていました。ベッドに横になり、伸びをしていたその時、目を開けると、突然周囲の景色が変わっていました。見慣れた自宅の窓からは、全く知らない住宅街が広がっていました。

驚いて家の中を調べましたが、家族は誰一人いませんでした。テレビをつけても何も映らず、家中の時計はバラバラの時間を指していて、時間の進み方も一定ではありませんでした。

恐怖を感じつつ外に出ると、そこもまた見知らぬ風景。街には誰もおらず、ただデジャヴのような感覚が私を襲いました。

仏教では宇宙は始まりも終わりもなく、無限であると言われています。人間の存在も宇宙の一部であり、終わりがあってもまた新たに始まるのです。この不思議な体験は、まさに宇宙の奥深さを感じさせるものでした。

30分ほど歩いた後、人のいない大きな駅に辿り着き、動いている電車に乗りました。しかし、乗っている間も周囲の町には何度もデジャヴを感じました。

最終的に電車から降りると、ロングコートを着たおっさんが現れ、その顔を見ようとした瞬間、私は意識を失いました。

その後、同じ状況を何度か繰り返し、最終的に意識が戻ると、自宅から7キロ離れた場所に立っていました。帰宅してからの経過時間は約1時間半でした。

この体験は、東京のど真ん中で起きたことで、その後何度かその場所を訪れましたが、何も異常はありませんでした。私の中には今も宇宙の一部が存在しているような、そんな感覚が残っています。


note 開設のお知らせ

いつも当ブログをご愛読いただき、誠にありがとうございます。
今後もこちらでの更新は続けてまいりますが、note では、より頻度高く記事を投稿しております。

同じテーマの別エピソードも掲載しておりますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

怖い話・異世界に行った話・都市伝説まとめ - ミステリー | note

最新情報は ミステリー公式 X アカウント にて随時発信しております。ぜひフォローいただけますと幸いです。

関連記事

夕焼け

紫の世界

この話は、主人公が早朝にタバコを買いに出かけた際に、普段とは異なる不可解な出来事に遭遇した体験談です。 日の出直後、寝ぼけた状態で外に出た主人公は、居間で新聞を読んでいる父親に…

無人駅

存在しない駅にて

その日、彼はひどく疲れていました。 残業で遅くなり、帰宅するために電車に乗り込んだのは深夜に差し掛かる頃。 既にいつも使っている快速は運行を終えており、各駅停車の普通電車…

ビル

無音のビルと時空の警告

二、三年前、私が建設業の見習いだった時の体験です。その年の夏は特に暑く、その日は忙しさのあまり、休憩も取らずに作業に没頭していました。私たちは、ビルの改修作業を行っており、上司からの…

縁側(フリー写真)

田舎にワープ

自分でも今だに信じられない話。俺が小学二年生の夏の話。 弟と兄弟喧嘩をした時、両親は理由も聞かず、長男だからという理由で俺だけを叱った。 正座させられた俺に、両親の後ろに回…

母を名乗る女の人

小学校に上がる前の、夏の終わりの頃の話。 私は田舎にある母方の祖父母の家で昼寝をしていた。 喉が渇いて目が覚めると、違和感を覚えた。何回も遊びに来ている家だけど、何かが違う…

降りなくていいんですか?

東京の地下鉄乗ったんだよ。 何線かは言わないけど、まぁいつ乗ってもそれなりに人乗ってるよな。 で、東京の地下鉄ってのは2~3分走れば止まるじゃん?駅の距離短いし…。快速とか…

田舎

神隠しの記憶

数年前、子供の頃に体験した不思議な出来事がつながったことをお話しします。私が5歳くらいの時、兄と一緒に畑仕事を手伝うことがよくありました。畑から数十メートル離れた場所に大きな岩が何個…

タクシー(フリー写真)

三日前の異世界

俺の出身は宇都宮で、高校を卒業して3年制の専門学校へ行くために上京した。 夏休みのある日、赤羽駅の近くの居酒屋で深夜まで飲み、タクシーを捕まえて家の近くの大きな公園まで乗せても…

異世界での体験談(長編)

異世界とか霊界とか、信じる信じないではなく、当たり前にあるものだと思って生きてきました。 死んだおじいちゃんが出雲大社で修行していて、祈祷師のような事もやっていたから。 家…

異世界の駅

異世界の輸界「やみ駅←きさらぎ駅→かたす駅」

「きさらぎ駅」という駅をご存知でしょうか? 過去に 2chで大きな話題になった怖い話の一つです。 はすみさんという方が実在しないその駅に迷い込んだまま行方不明になったとい…