時空を超えて

住宅街

私が高校生の頃の体験です。その日は友人と遊んだ後、家(一戸建ての3階)に帰り、リラックスしていました。ベッドに横になり、伸びをしていたその時、目を開けると、突然周囲の景色が変わっていました。見慣れた自宅の窓からは、全く知らない住宅街が広がっていました。

驚いて家の中を調べましたが、家族は誰一人いませんでした。テレビをつけても何も映らず、家中の時計はバラバラの時間を指していて、時間の進み方も一定ではありませんでした。

恐怖を感じつつ外に出ると、そこもまた見知らぬ風景。街には誰もおらず、ただデジャヴのような感覚が私を襲いました。

仏教では宇宙は始まりも終わりもなく、無限であると言われています。人間の存在も宇宙の一部であり、終わりがあってもまた新たに始まるのです。この不思議な体験は、まさに宇宙の奥深さを感じさせるものでした。

30分ほど歩いた後、人のいない大きな駅に辿り着き、動いている電車に乗りました。しかし、乗っている間も周囲の町には何度もデジャヴを感じました。

最終的に電車から降りると、ロングコートを着たおっさんが現れ、その顔を見ようとした瞬間、私は意識を失いました。

その後、同じ状況を何度か繰り返し、最終的に意識が戻ると、自宅から7キロ離れた場所に立っていました。帰宅してからの経過時間は約1時間半でした。

この体験は、東京のど真ん中で起きたことで、その後何度かその場所を訪れましたが、何も異常はありませんでした。私の中には今も宇宙の一部が存在しているような、そんな感覚が残っています。

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