時空を超えて

住宅街

私が高校生の頃の体験です。その日は友人と遊んだ後、家(一戸建ての3階)に帰り、リラックスしていました。ベッドに横になり、伸びをしていたその時、目を開けると、突然周囲の景色が変わっていました。見慣れた自宅の窓からは、全く知らない住宅街が広がっていました。

驚いて家の中を調べましたが、家族は誰一人いませんでした。テレビをつけても何も映らず、家中の時計はバラバラの時間を指していて、時間の進み方も一定ではありませんでした。

恐怖を感じつつ外に出ると、そこもまた見知らぬ風景。街には誰もおらず、ただデジャヴのような感覚が私を襲いました。

仏教では宇宙は始まりも終わりもなく、無限であると言われています。人間の存在も宇宙の一部であり、終わりがあってもまた新たに始まるのです。この不思議な体験は、まさに宇宙の奥深さを感じさせるものでした。

30分ほど歩いた後、人のいない大きな駅に辿り着き、動いている電車に乗りました。しかし、乗っている間も周囲の町には何度もデジャヴを感じました。

最終的に電車から降りると、ロングコートを着たおっさんが現れ、その顔を見ようとした瞬間、私は意識を失いました。

その後、同じ状況を何度か繰り返し、最終的に意識が戻ると、自宅から7キロ離れた場所に立っていました。帰宅してからの経過時間は約1時間半でした。

この体験は、東京のど真ん中で起きたことで、その後何度かその場所を訪れましたが、何も異常はありませんでした。私の中には今も宇宙の一部が存在しているような、そんな感覚が残っています。

関連記事

田舎

神隠しの記憶

数年前、子供の頃に体験した不思議な出来事がつながったことをお話しします。私が5歳くらいの時、兄と一緒に畑仕事を手伝うことがよくありました。畑から数十メートル離れた場所に大きな岩が何個…

母を名乗る女の人

小学校に上がる前の、夏の終わりの頃の話。 私は田舎にある母方の祖父母の家で昼寝をしていた。 喉が渇いて目が覚めると、違和感を覚えた。何回も遊びに来ている家だけど、何かが違う…

竹下通りの裏路地

今から5年前、当時付き合っていた彼女と竹下通りへ買い物に出掛けました。 祭日だったと記憶しています。どこを見ても若者だらけで、快晴の空の下、人混みを避けながら買い物を楽しんでいま…

工場

不可解な扉の向こう

幼い頃の私には忘れられない体験があります。それは幼稚園の頃、よく遊びに行っていた祖父の家で起きた出来事です。祖父の家は関東のどこか、田舎でも都会でもない中途半端な場所にありました。そ…

公園

誰も居ない通学路

20年近く前の話になります。当時、私は小学4年生でした。近所の公園には、変わったすり鉢状の滑り台があり、小学生には大人気でした。学校が終わると、そこで親友のT君と遊ぶ約束をしていまし…

やみ駅←きさらぎ駅→かたす駅

皆さん、きさらぎ駅という駅を知ってますか? 何年か前に、2chで有名になった怖い話だそうで、はすみさんという方がその実在しない駅に迷いこんでしまって、結局行方知れずになってしまっ…

プラットフォーム

プラットフォームの向こう

小学校低学年の時だから、かなり昔の事になります。 私はその日、母に手を引かれ、遠縁の親戚を訪ねるため駅に来ていました。 まだ見慣れない色とりどりの電車に、私は目を奪われてい…

アクァッホ(長編)

多分信じてもらえることはないだろうから、そういう創作物として見てくれれば幸い。 まず交流に使った方法はチャネリング(日本でいうところの口寄せの術)。 たまたま適当にネット漁…

朝顔

幼い私が消えていた小一時間の記憶

アサガオが咲いていたから、あれは夏のことだったと思います。 当時、私は5歳で、庭の砂場で一人遊びをしていました。 いつものように、小さなシャベルで山を作ったり壊したりしな…

マトリックス空間

宇宙は数字で織りなされる

不思議な体験をした。 簡単に説明すれば、幽体離脱をして宇宙を覗いたとき、螺旋状に永遠に伸びる、うねうねとした膨大なカラフルな数字から成る道を、高速スピードで飛んでいた。 …