
琵琶湖バラバラ殺人事件とは、2008年5月17日から6月23日にかけて、滋賀県近江八幡市の琵琶湖で発生した、未解決の殺人・死体損壊事件である。
2024年現在に至っても、被害者の身元確認および犯人の特定・逮捕には至っていない。
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【事件の経緯】
2008年5月17日、琵琶湖に面した湖岸緑地「岡山園地」にて、早朝から釣りをしていた男性が、湖面に人間の足のようなものが浮いているのを発見した。
男性はただちに滋賀県警へ通報し、警察による捜索が開始された。
同日中に、捜査員によって別の足の一部も琵琶湖から引き上げられている。
さらに、5月20日には人間の頭部が発見された。
ただし、この頭部には一部が切除された形跡があり、警察はこれが故意に身元特定を困難にする目的でなされたものと推測している。
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遺体の各部位はすべてDNA鑑定により、同一人物のものであることが確認された。
続いて、6月22日と翌23日には、琵琶湖岸で両手首が相次いで発見され、捜査は全国規模の身元照合へと広がった。
しかし、現在に至るまで胴体部分は発見されておらず、身元の特定にも至っていない。
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事件発生から約9か月後の2009年2月27日、警察庁は本事件を「捜査特別報奨金制度」の対象に指定した。
情報提供により犯人の検挙につながった場合、最大で300万円の報奨金が支払われるというものである。
この指定は2012年に一度解除されたが、2014年9月9日には再び指定対象に加えられている。
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【被害者の特徴】
警察は被害者の身元を特定するため、頭部の復顔法を用いた再現図を作成し、似顔絵として公開した。
それにもかかわらず、被害者に関する有力な情報は得られていない。
被害者の身体的特徴は以下の通りである。
- 年齢:おおよそ35〜65歳
- 性別:男性
- 身長:不明(胴体未発見のため)
- 体格:中肉から肥満体型
- 頭髪:白髪まじり(髪型不明)
- 血液型:O型
- 特徴:
・鼻に骨折治療の痕跡あり
・左目尻下に“できもの”のような皮膚変化
・上の前歯4本が欠損し、歯全体の状態も悪い
・鼻および下あごに一部欠損
・外国人の可能性も指摘されている
これらの特徴を踏まえ、国内外の身元不明者データと照合が行われたが、該当者はいまだ見つかっていない。
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【虚偽通報の騒動】
本件とは直接関係はないが、2008年7月11日、大阪府泉佐野市に住む41歳無職の女性が、交際相手の男性をこの事件の犯人と偽って警察に通報するという騒動があった。
これは私怨による虚偽申告であり、女性は後に軽犯罪法違反(虚偽申告)容疑で書類送検された。
この虚偽通報によって、本件の捜査が一時混乱をきたしたことは否めない。
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この事件は、多くの謎を抱えたまま、今もなお未解決のままである。
一体、被害者は誰であり、なぜ琵琶湖に遺棄されなければならなかったのか。
真実が明かされる日は、果たして訪れるのだろうか──。