夜更けに届く鼠の天ぷら
深夜2時14分、メニューにない鼠の天ぷらの注文が入った。電源を切ったフライヤーからは、油の弾ける音がしていた。作ってもいない品に、星のレビューだけが先に付いた。…
深夜2時14分、メニューにない鼠の天ぷらの注文が入った。電源を切ったフライヤーからは、油の弾ける音がしていた。作ってもいない品に、星のレビューだけが先に付いた。…
杉並区の古いアパートに引越した私は、押入れの奥に隠れた引き戸を見つけた。開けると昭和40年代の商店街が広がっていた。昭和42年の新聞の日付、駄菓子屋のおばさんの…
母の入院見舞いで帰省した北陸の町。シャッター街になった商店街の奥に、子供の頃に通った手芸店の灯りがまだ残っていた。そこにいたのは、五年前に亡くなったはずのおばあ…
フリーランスの写真家が深夜の商店街で撮影中、閉まっているはずの店に灯りが見える。写真を確認するたびに、その灯りの中に何かが写り込んでいることに気づく。…
残業帰りに通ったアーケード商店街で、私は灯りのついた古い文具店に入り、十円の鉛筆を一本買いました。翌日、その場所には壁があるだけ。紙帯のロゴと老婦人の話、財布に…
石川・七尾の一本杉通りの福引所には、パイプ椅子が一脚だけ開いたまま置いてあります。木の箱に手を入れた孫の耳元で「それだっ」と怒鳴った祖父の声と、六等の日本酒の裏…
商店街の奥の椅子に座る年寄りは、通る人を見て食べ物の名を一言だけ呟きました。直前に食べたものを当てているのだと思っていた私は、呟かれた人の記録を追ううちに、この…
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