魑魅魍魎

公開日: ほんのり怖い話 | 不思議な体験

抽象模様(フリー素材)

今から2年くらい前の夏。

会社が夏休みで、連日ベッドの上でマンガを読みながらゴロゴロ昼寝をする毎日でした。

その日もいつものようにマンガを読んでいる内に眠ってしまった。

ふと目を覚ましたら、目の前に茶色くて小さい鬼みたいなやつが何匹か動いていた(10センチ前後の大きさ)。

鬼と言うか、百鬼夜行をしている魑魅魍魎みたいなやつと言った方がイメージ的に近いかも。

それが私の目の前を通り過ぎて、隣で添い寝をしていた犬の方へ近付いて行った。

その時、私は寝ぼけていたせいもあって

「私の犬に何してくれる」

とばかりに、魑魅魍魎っぽいのをムズっと掴み、ポイっと自分の口の中に入れてまた眠ってしまった。

それから数分だか数十分経った時に、猛烈な腹痛に飛び起きてトイレにGO。

トイレの中で人生最大の腹痛にのたうって、本当で気を失いそうだった。

でもそこで気絶なんかしたら、お尻丸出しで母に救急車を呼ばれてしまう。

てゆーか、拭いてないし!

仮にも嫁入り前の娘だし、そんな恥をかくのは嫌だ!

それだけを念じて七転八倒の痛みに耐えた30分。

やっと痛みが治まり、トイレから出てきた時は着ていたTシャツが汗でびしょ濡れだった。

脱いで絞ったら、汗がダバダバと搾れた程だったよ。

あれは単に寝ぼけていただけなのか、今でも思い出しては不思議な感じがする。

当時病持ちで病院に通院していた犬は、今は元気に自宅で私が会社から帰って来るのを待っている。

関連記事

ランドセルの女の子

叔母さんのお守り

小学2年生くらいの時から、妙な光の玉を度々見るようになった。 家族にその話をしても嘘つき呼ばわりされるので、今度その光の玉を見た時は証人となる人を連れて来て一緒に見ようと頑張っ…

天井裏

不可解な手紙

去年の暮れ、私が勤める編集プロダクションに一通の手紙が届きました。私宛ての名指しの手紙で、エッセイの添削と執筆指導を求める内容でした。 初めての事態に不信感を抱きながらも、返信…

時空のおっさん

誰もいない都市

それは、私が高校生だった夏の日の出来事です。 大学受験もまだ意識し始めたばかりの頃。 友人と遊んだ帰り、自宅に戻った私は、いつものように自分の部屋でベッドに寝転び、伸びを…

マンション(フリー写真)

夢の中の会話

私は十年近く前、誘拐されたことがあります。 私を誘拐し拉致したのは同じマンションに住む女の人で、私は風呂場に閉じ込められました。 縛られたりはしなかったのですが「逃げたら…

公園(フリー素材)

視える子

7歳の長男の話です。 長男は所謂『視える子』らしいのですが、彼から聞き出す話のことごとくが、一般的な霊感体験談からズレていて興味深いのです。 長い髪の女や不思議な子どもな…

山祭り

久しぶりに休みが取れた。たった2日だけど、携帯で探される事も多分ないだろう。 ボーナスも出た事だし、母に何か美味いものでも食わせてやろう。 そう思って、京都・貴船の旅館へ電…

手形

友達の先輩Aとその彼女B、それから先輩の友達Cとその彼女Dは、流れ星を見に行こうということで、とある山へ車を走らせていました。 山へ向こうの最後のガソリンスタンドで給油を済まし、…

スマホを持つ女性(フリー素材)

ユキからのメール

今年の春からの出来事です。 いきなり私の携帯に知らないアドレスからメールが届きました。 『ユキだよ。○○ちゃん、今日のシャツちょぉぉぉカワイイ(>∀<)』 そんなメー…

かくれんぼ

かくれんぼの夢

これは四つ下の弟の話。当時、弟は小4、俺は中2、兄貴は高1だった。 兄貴は寮に入っていたから、家に帰って来ることは殆ど無かった。 俺は陸上部に入っていて、毎朝ランニングをし…

裏世界

不思議な記憶というか、今でも鮮明に覚えている記憶。 小学5年生の夏休み、家の裏手にある大きなグラウンドで、夏休みの自由研究である「身近にいる昆虫リスト」を作っていた。 する…