長年の友への激励

公開日: 心霊ちょっと良い話

旧い店舗(フリー写真)

米屋の店先で長椅子に座っていた米屋のじいさんが、ガックリ肩を落としたような格好でタバコを吸っていた。

すると「随分しょぼくれてんなぁー!ボケが始まっちまったかぁ? あぁ?」と大声が聞こえた。

見ると、米屋の向かいの酒屋のじいさん。

見慣れた姿で腰に手を当てながら、米屋に向かって立っていた。

思い返せばこの二人、耳が遠いんだか、地声が大きいんだか…。仲が良いんだか、悪いんだか…。

道を挟んで、よく大声で話していたなぁ。

べらんめぇ調の酒屋のじいさんの大声も懐かしい。

そこまで思って気が付いた。

そうだ。酒屋のじいさん、一昨年に亡くなったんだっけ。

だから米屋のじいさんもしょぼくれて…。

酒屋のじいさんが、この世の者でないことに気が付いた。

そして、じいさんはこちらを向き、

『あいつに言ってやってくれ』

といった風な仕草をしながら消えて行った。

私にどう伝えろと言うのだろう?

それより…、米屋のじいさんに見えるように出て来いよ。

関連記事

旅館

箱根の旅館にて

会社のK子さんから聞いた不思議な体験をお話しします。この話は彼女が妹さんと経験した実際の出来事です。 先月の末、K子さんと妹さんは箱根にある古い温泉旅館へと足を運びました。この…

吹雪(フリー写真)

大型トラックの男性

親父から聞いた話です。 昔、親父が雪深い山の現場でバイトしていた時の事。 妻子を置いて季節労働に来ている男性が居て、皆から頼られるリーダーとして現場を仕切っていました。 …

天使のはしご(フリー写真)

成仏した女の子

私の母がまだ独身だった25年程前の話です。 交差点を渡ろうとした時、前に10歳くらいの女の子が歩いていて、その子が目の前で左折しようとしたトラックの後輪に巻き込まれてしまった。 …

油絵の具(フリー写真)

母の想い

子供の頃、家は流行らない商店で貧乏だった。 母がパートに出て何とか生活できているような程度の生活だ。 学校の集金の度に母親が溜め息を吐いていたのをよく憶えている。 別…

公園のブランコ(フリー写真)

友人を見守る人

これは俺が小学二年生の時の話です。怖くはないのですが、良ければ読んで下さい。 その日、自転車でブラブラしていた俺は、小さな公園があるのを発見した。 ブランコと滑り台、それと…

ある蕎麦屋の話

JRがまだ国鉄と呼ばれていた頃の話。 地元の駅に蕎麦屋が一軒あった。いわゆる駅そば。 チェーン店ではなく、駅の外のあるお蕎麦屋さんが契約していた店舗で、『旨い、安い、でも種…

月の虹(フリー写真)

夢枕に立つ友人

五年前、幼稚園時代からの幼馴染だった親友のNが肺炎で死んでしまった。 そいつはよく冗談交じりに、 「死んだらお前の枕元に絶対に立ってやるからな」 と言っていた。 …

古い箪笥(フリー写真)

鈴の音

小学生の頃、大好きだったばあちゃんが死んだ。 不思議と涙は出なかったのだけど、ばあちゃんが居ない部屋は何故か妙に広く感じ、静かだった。 火葬が済んだ後、俺は変な気配を感じる…

太陽の光(フリー写真)

わたしの靴がないの

従姉妹が19歳という若さで交通事故に遭い、亡くなりました。 それから半年ほど経った頃、夢を見ました。 従姉妹の家に沢山の人が訪れ、皆それぞれ食事をしながら談笑しています。 …

夜の病院(フリー素材)

赤いパジャマの女の子

15年前に事故で左手首を手術。 夜中に麻酔が切れ、朦朧として唸っていると、傍らに赤いパジャマ姿の十歳くらいの女の子が立っていた。 『痛いの?』と頭の中で声がしたので「うん…