女の勘

公開日: 洒落にならない怖い話

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結婚して4年目の頃の話。

会社に可愛い事務の女の子が入ってきた。

さすがに浮気する気はなかったけど、その子のことは気になっていた。

ある日、飲み会にその子も来ることになり、俺は良い気分で酒を飲んだ。

青いチェックのワンピースを着ていたんだけど、清楚で可愛くてドキドキした。

その子は終電で帰って行ったが、俺は浮かれて同僚と遅くまで飲んだ。

家に帰ると真っ暗で、さすがに嫁も寝てるかと思い、取り敢えず風呂に入った。

家の風呂場の入り口には、のれんみたいな仕切りのカーテンをしていたのだが、風呂から上がりタオルで体を拭いていると、カーテンの下に足が見えた。

ぎょっとして中を覗くと、のれんを割って青いワンピースの女が見えた。

頭が混乱し、とにかくビビって声を出したと思う。

よく見たら嫁だった。俺は動揺して声が出なかった。

嫁は事務の子と同じワンピースを着ていた。寝ているはずの真夜中に。

俺はなぜかその時、殺されると思った。

まあ、今も生きているわけだが…。

結局ワンピースは偶然だったようなのだが、本当に偶然だったのかどうか、実は今も釈然としていない。

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