前世と今世の因果ループ

公開日: 輪廻転生に関する話

教室

高校時代、同じクラスに「右目を見ると前世がわかる」と言う不思議な能力を持つという女子生徒がいました。

彼女によれば、相手の右目をじっと見つめていると、その人の額のあたりに“前世の映像”が浮かんでくるのだそうです。

瞬きをするのは問題ないけれど、目をそらしてはいけないという決まりがありました。

彼女の話によると、前世と現世の人間関係や生き方には、何らかの“リンク”が存在しており、ときに立場が逆転することもあれば、同じ出来事を繰り返すこともあるのだとか。

たとえば、前世では親子だった関係が、今世では子が親になっているといった具合です。

正直、当時の私は半信半疑でした。

それでも「面白そうだな」と興味本位で見てもらうことにしました。

彼女はなかなかの美人で、見つめ合うのは少し照れ臭かったのですが、目を逸らさないように頑張りました。

しばらくすると、彼女は静かに語り始めました。

「あなたの前世は、インドの兵士だったみたい。町を流れる川の上流にある堤防を守るため、部下たちを率いて警備していたわ」

さらに話は続きました。

「ある時、任務を終えて故郷に戻ったあなたは、部下のひとりの奥さんと恋仲になってしまったの。そのことがバレて…彼に殺されたみたい」

彼女の口調は穏やかでしたが、内容は衝撃的でした。

時代は不明とのことでしたが、おおよそ100年ほど前の出来事ではないかと話していました。

その際、彼女はもっと詳しい地名や人名も挙げていた気がしますが、あいにく今ではすっかり記憶から抜け落ちてしまいました。

あれから年月が経ち、私は今や社会人となり、家庭も持つようになりました。

けれど現在、私はある秘密を抱えています。

実は、妻が職場の同期と浮気していることを知っているのです。

夫婦関係はすでに冷めきっており、殺意などは持っていません。

ですが、いずれ確たる証拠を掴んで離婚し、同時に上司に報告し、その男ごと社会的に抹殺するつもりです。

それが最も理にかなった復讐であると、私は信じています。

ふと、あの高校時代に聞いた“前世の話”を思い出しました。

前世では、私は“奪う側”で命を落とし、今世では“奪われる側”で怒りと復讐心に燃えている。

まるで因果が繰り返しているようではありませんか。

その女子生徒が言っていたことが、今では妙に腑に落ちてきます。

「人の魂は、無限にループする世界に在る」

「良いループを作るも、悪いループを断ち切るも、その人次第」

彼女の言葉が、今も心に残っています。

この投稿への返信

あなたのお話、とても興味深く拝読しました。

ただ、どうしても心配になってしまったことがひとつあります。

あなたが奥さんと同僚に対して強く恨みを抱いていること、それがまた来世でも同じ形で繰り返されてしまうのではないか…ということです。

「社会的に抹殺してやる」という言葉は、少し強すぎるように感じました。

もちろん、裏切られた側の怒りや苦しみは、他人には完全には理解できません。

それでも、もし今このループを断ち切りたいのであれば、“裁き”よりも“赦し”に目を向けることが、次のステージへ進む鍵になるのかもしれません。

どうか、あなたの魂が、より良い方向へと導かれますように――そう願っています。

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