ベニヤを突き破って手首が……あれ!? 抜けなくなった…???

公開日: ほんのり怖い話

423mini

たぶん怖くないけど自分的には嫌だった話。

帰り道に、赤錆びて穴だらけのベニヤ張りの物置みたいな建物がある。周りに新築マンションが増えてるからかなり浮いた感じ。

で、ゆうべ遅くに帰ろうとしたら丁度その物置の所でコケてしまった。思わず手をついたら物置のベニヤを突き破って手首まで入ってしまい、壊したかと思って焦ったんだけど手が抜けない。抜こうとすると避けたベニヤが手首に刺さる。

擦り傷だらけだし痛いしよく見えないしってやってたら、全く人の気配のない向こうから突然手を触られた。

痴漢みたいな触り方で、その時は霊とかより正直貞操の危険を感じて尚更焦る。しかも向こうの手らしきものがどんどん汗ばんできて力も強くなってくる。ライターかざそうかと思ったけど穴から目でも見えたらと考えたら怖くて実行出来なかった……。

暫くしたら自転車の音がして、ビクッとしたら警官だった。

話しかけられたら向こうの手の感触がなくなって、落ち着いたせいもあるだろうけど自分の手も抜けた(怪しかったらしくこっちが職質された)。

ちなみにさっき改めて見たら私の開けたらしき穴はあって、でもどう見ても人が住んでる雰囲気じゃない。屋根も穴だらけだから雨漏りするだろうし……。そもそもどのお宅の物置なのか近所の人に聞いてみたら、隣の駐車場と同じ持ち主らしく今は別の所に住んでいるとのこと。

あの手はなんだったんだ……。

ホームレスでも入り込んでたのかな。あの手の主が生きていてもいなくてもなんだか怖い。

関連記事

ジャングルジム

幼き日の影

今年で33歳になる私ですが、今から約30年前、幼稚園に通っていた頃の話です。 その頃の幼稚園はよくお寺が運営していて、私が通っていたのもその一つでした。今思い返せば、園の横には…

公園

公園の友達

お盆の季節になると、私はある思い出をよく振り返る。 私が小学2年生のころ、タケシという友達と日々一緒に遊んでいた。 我々のお気に入りの場所は川の近くの公園で、日が暮れるま…

小綺麗な老紳士

駅構内の喫煙スペースで私はタバコを吸っていました。 喫煙スペースと言っても田舎の駅なので、ホームの端っこにぽつんと灰皿が設置してあるだけの簡易的なものでした。 すると小綺麗…

狐(フリー写真)

鼠の天麩羅

知人の劇団員が、地元の猟師さんの笑い話を元に劇を作ったことがある。 長くなりますが、よろしければ暇潰しにどうぞ。 ※ 元号が幾つか前の時代のお話。 木樵と炭焼きと、猟師…

機関車(フリー写真)

電車の幽霊

埼玉の三郷に操車場跡という所があります。地図にも載っています。 心霊スポットとしては途中のお化けトンネル(化けトン)が有名ですが、体験したのはその近くの建物です。 操車場は…

駅

時間の狭間で

この出来事は小学校に入学する前のことです。その日、私は母に連れられ、遠縁の親戚を訪ねるために駅に来ていました。初めて見る色とりどりの電車に目を奪われ、気がつけば、人波に流され、母の手…

夜の山(フリー写真)

山でしてはいけないこと

学生時代に京都の愛宕山方面でキャンプをした時の話をします。 夏の終わり頃に仲の良い友人二人と、二泊三日のキャンプへ行きました。 人里離れた山奥、地主の許可なしでは入れない…

夜の寝室(フリー素材)

霊感の強い先輩

私が中学2年生の時、同じ部活に『自称霊感が強い』先輩が居ました。 私は当時、あまりそういうオカルト的なものは信じていませんでした。 ですので、その先輩の体験した話なども半…

天井(フリー写真)

遊びに来る友達

私が中学生の頃に住んでいた家での話。 私には四つ年上の兄が居る。兄には当時付き合っていた同い年の彼女が居て、家にもよく来ていた。 その彼女が来る予定の日、確か土曜日だった…

地獄のバス

小学校の修学旅行でのことだった。 我々は一路目的地を目指してバスに乗り込んだ。 席も隣同士だった。少しテンションの高すぎる彼に閉口しながらも、バスの旅は快調に進んで行った……