イタコ

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以前、北東北の寒村に行った際にお寺のご住職夫人から聞いた話。

恐山のような知名度はないんだけど、彼の地にも古くから土着のイタコがいたの。

今も出稼ぎがある地だから推して知るべしなんだけど、一時代前は栄養事情や保健衛生の悪さから盲になる子どもたちがいて、その子らの中から、素養を持った女子が生きる糧としてイタコの道を選んだらしい。

観光化されているわけじゃないから、彼女らが霊媒を行うのは山の中に拓かれた小さな霊場で、年に数日の大祭の時のみ。

地場の人には、歳事として深く根付いていたらしい。

今から十数年前、宜保愛子ブーム後期の頃かな、そのイタコがどこからか注目されて、外地から出張霊媒を行って欲しいという話が持ち込まれた。

言葉巧みなプロモーターにのせられたのか、何人ものイタコがそれを引き受けて、ゆかりのない土地で大祭でもないのに霊媒を行ってしまった…。

それが禁行であったことがわかるのは、その後のこと。

出張をおこなったイタコは、次々と病に臥して亡くなってしまう。ご住職夫人によれば「不思議なくらい、出張した人はみな」だったそう。

結局残ったイタコは、出張の騒ぎを静観していたかなりの高齢者、数人のみ。新たな成り手も得難くて、衰退の一途をたどっている…。

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