霊刀の妖精(宮大工15)
俺と沙織の結婚式の時。 早くに父を亡くした俺と母を助け、とても力になってくれた叔父貴と久し振りに会う事ができた。 叔父貴は既に八十を超える高齢だが、山仕事と…
俺と沙織の結婚式の時。 早くに父を亡くした俺と母を助け、とても力になってくれた叔父貴と久し振りに会う事ができた。 叔父貴は既に八十を超える高齢だが、山仕事と…
俺が初めてオオカミ様のお社を修繕してから永い時が経過した。 時代も、世情も変わり、年号も変わった。 日本も、日本人も変わったと言われる。 しかし俺を取り巻く…
俺が中学を卒業し、本格的に修行を始めた頃。 親方の補助として少し離れた山の頂上にある、湖の畔に立つ社の修繕に出かけた。 湖の周りには温泉もあり、俺達は温泉宿…
十年程前、親方の親友でやはり宮大工の棟梁であるKさんが病気で倒れてしまった時の事。 親方とおかみさんは急遽お見舞いに行き、俺は親方の代理で現場を取り仕切った…
とある休日、久しぶりにオオカミ様の社へと参りに出かけた。 途中、酒を買い求めて車を走らせる。 渓流釣りの解禁直後とあって、道には地元・県外ナンバーの四駆が沢…
オオカミ様が代わられてから数年が経った。 俺も仕事を覚え数多くの現場をこなし、自分でも辛うじて一人前の仲間入りを果たす事が出来たと実感するようになった。 ま…
晩秋の頃。 山奥の村の畑の畦に建つ社の建替えを請け負った。 親方は他の大きな現場で忙しく、他の弟子も親方の手伝いで手が離せない。 結局、俺はその仕事を一人で…
お伊勢参りの翌年、梅が開き始める頃。 山の奥にあるお稲荷様の神主さんから、お社の修繕依頼が入った。 そう、弟弟子の一人が憑かれたあのお稲荷様の社だ。 親方に…
オオカミ様のお社を修理し終わった後の年末。 親方の発案で親方とおかみさん、そして弟子達で年末旅行に行く事になった。 行き先は熱田神宮と伊勢神宮。 かなり遠い…
ある年の秋。 季節外れの台風により大きな被害が出た。 古くなった寺社は損害も多く、俺たちはてんてこ舞いで仕事に追われた。 その日も、疲れ果てた俺は家に入ると…
年号が変わる前年の晩秋。 とある街中の神社の建て替えの仕事が入った。 そこは、幼稚園を経営している神社で、立替中には園児に充分注意する必要がある。 また、公…
とある秋の話。 俺の住む街から数十キロ離れた山奥にあるA村の村長さんが仕事場を訪れた。 A村の氏神である浅間神社の修繕を頼みたいという。 A村は親方の本家が…
お稲荷さま騒動から3年ほど経った晩秋の話。 宮大工の修行は厳しく、なかなか一人前まで続く者は居ない。 また、最近は元より、今から十年以上前の当時でも志願して…
俺が宮大工見習いをしてた時の話。 大分仕事を覚えてきた時、普段は誰も居ない山奥の古神社の修繕をする仕事が入った。 だが親方や兄弟子は同時期に入ってきた地元の…
俺はある山奥の村で生まれ育った。 人口は百人程度、村に学校は無かったから、町の小…
アサガオが咲いていたから、あれは夏のことだったと思います。 当時、私は5歳で、庭…
これまでに私は、三度、異世界に行ったことがあります。 最初は9歳か10歳の頃。二…
ホラーゲームの金字塔とも言える『零』シリーズ。 その制作現場では、ゲーム内の恐怖…
これは、ある探偵事務所に勤務するY氏から伺った、行方不明者に関する未解決事件の記録であ…
「前世」という概念すら知らないはずの幼い子どもが、突如としてそれを語り出すという話が、…