橋のもやい輪は写せない
向渡へ渡る短い橋が架け替えになり、看板屋の私は親柱の写しを引き受けた。石の欠けまで写せたのに、根元のもやい輪だけが新しい柱に付かなかった。工房に預かった輪には、…
向渡へ渡る短い橋が架け替えになり、看板屋の私は親柱の写しを引き受けた。石の欠けまで写せたのに、根元のもやい輪だけが新しい柱に付かなかった。工房に預かった輪には、…
二十年前の秋、城下町の寂しい県道で、俺は見えない壁にぶつかった。透明で、磨いた石のように固い壁。引き返した直後、一台の軽トラックが、何もない道で潰れた。土地が静…
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