やみ駅←きさらぎ駅→かたす駅

img-0096-3

皆さん、きさらぎ駅という駅を知ってますか?

何年か前に、2chで有名になった怖い話だそうで、はすみさんという方がその実在しない駅に迷いこんでしまって、結局行方知れずになってしまったとか。

インターネット上でも、検索すれば出てくるようです。

それで僕の話なんですが、今から5年くらい前ですかね。

年の暮れの頃、福岡から久留米に電車で向かってたんです。

道中暇だったんで、ずっと本を読んでたんですね。ペーパーバックの。

で、気付いたら回りのお客さんがみんな眠ってて、すごい不自然な感じだったんですよ。肌で感じる奇妙さみたいな。

そこで窓の外を見たら、ちょうど電車が古い鉄橋を渡るところだったんですね。

それから陸橋が見えて、その下を潜った後、駅に着いたんです。

普段その路線を使うことがないのであまり覚えてないんですが、そんな風景は見たことがなかったんですよ。

駅に到着したんですが、なんかホームが二つあって、その奥に古い日本建築の駅舎が見えてて、ホームの柱にひらがなで『きさらぎ』と書いたプレートがありました。

雨が降ってて、ホームの一部にしか屋根がないので傘を持った人が結構いましたが、不思議と誰も乗り込んできませんでした。

少し遠くに駅名が書いた大きな立て札があって、そこにはひらがなで『きさらぎ』と書いてあるほかに、一つ前の駅『やみ』と、一つ後の駅『かたす』という駅名が、ひらがなで書いてあるのが見えました。

普通だったら電車を間違えたとかパニックになるのかもしれませんが、なんとなく不思議な感じがして、降りてみたいなと思いました。

しかし、久留米で人に迎えに来てもらう約束だったので、降りたりする時間はなく、ぼんやり窓の外を眺めていると、電車が発車しました。

結局、次の駅『かたす』というところにも着かず、長い時間走った後、電車は久留米に着きました。

周りの人ももう起きていました。

途中、停まるはずだった駅をいくつも飛ばしたような気がするんですが、そこら辺はよく覚えていません。

恐らく本を読みながらウトウトして、『久留米の前くらいまで浅い眠りに入っていたなかで見た夢だろう』ということで納得したんですが、最近きさらぎ駅の話をインターネットで見つけびっくりしています。

はすみさんという方の話と違い、トンネルも抜けていないし、ホームや駅舎に人がいて、周りには住宅もありました。

そもそも九州なので、東海地方からは程遠いです。

それでも駅の名前は『きさらぎ』だったのをはっきり覚えています。

何かオカルト的な意味のある駅名なんでしょうか? この世とあの世の接点とか?

その駅で降りていたらどうなっていたかと思うと、とても恐ろしいです。

関連記事

赤い世界

赤い世界とマジシャンの老人

僕が小学6年生だったときのことです。 当時、僕は吉祥寺にある塾に通っていました。 自宅は隣の○○区にあり、毎回バスで吉祥寺まで通っていました。 その日も、いつものよ…

黄泉の国の体験

同窓会の案内が来て、中学生だった当時を懐かしんでいたら思い出したことがある。 この間の夜、ふと目が覚めると目の前に血を流した女の人がいた。 寝ぼけていたし起こされてムカつい…

神秘的な山道

おまつり

俺の生まれ育った村は、田舎の中でも超田舎。もう随分前に市町村統合でただの一地区に成り下がってしまった。 これは、まだその故郷が○○村だった時の話。俺が小学6年生の夏のことだった。…

木造校舎

青い手首

ネタではありません。実際の体験談です。 世田谷区立某小学校での出来事。 ※ 入学して1年間は、戦前からある古い木造校舎で過ごしました。 2年生になった頃に木造校舎の建て…

空

雲の上の記憶と真紅の花

数年前、私は今でも忘れられない不思議な体験をしました。 それは、家族旅行でキャンプに出かけた際の出来事です。 キャンプ場のテントを離れ、弟と二人で少し奥の林の中で遊んでい…

病室(フリー素材)

優しい声

これは俺が中学生の時の体験です。 恐怖感はあまり無く、今でも思い出すと不思議な気持ちになります。 ※ 中学二年の二学期に急性盲腸炎で緊急入院しました。定期テストの前だったので…

飲食店(フリー素材)

身代わり

少し昔の話をする。 私の友人が飲食店の店長をする事になった。 その店に行きたいと思いつつなかなか都合がつかず、結局その店に行けたのはオープンから一ヶ月が過ぎようとしている頃…

白い空間

誰もいない世界

私は2年前まで看護師をしていました。 今は派遣事務の仕事に就いていますが、我ながらよくあの殺人的なシフトをこなしていたなと感心します。17、8時間の拘束は当たり前の世界ですから。…

コンビニ

未来のコンビニ

俺が6歳の時の話だ。その頃の俺は悪戯が大好きで、しょっちゅう親に叱られていた。 いつものように「こんな家出てってやるー」と泣きながら言い放ち、家を飛び出す。でも、いつも夕飯時に…

異世界で過ごした日々

これまで3回ほど異世界に行ったことがあります。 1回目は多分、9歳か10歳の頃。2回目は23歳の頃、3回目は10年前の36歳の頃でした。 あの世界に行くのはいつも決まって、…