長編

つんぼゆすり(長編)

子供の頃、伯父がよく話してくれたことです。 僕の家は昔から東京にあったのですが、戦時中、本土空爆が始まる頃に、祖母と当時小学生の伯父の二人で、田舎の親類を頼…

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千寿江(長編)

もう色々済んだから、書かせてくれ。かなり長い。 父親には妹がいたらしい。俺にとっては叔母に当たるが、叔母は生まれて数ヶ月で突然死んだ。原因は不明。 待望の娘…

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プラント・コロニー(長編)

いつものようにバイトをして、休憩室で飯を食ってたんだわ。 飯を食い終わってスマホを弄ってたら、頭がくらっとしてきた。 貧血かなーと思ってたんだけど、妙に意識…

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裏S区(長編)

九州のある地域の話。 仮だが、S区という地域の山を越えた地域の、裏S区って呼ばれている地域の話。 現在では裏とは言わずに「新S区」と呼ばれているが、じいちゃ…

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地下の井戸(長編)

これを書いたら、昔の仲間なら俺が誰だか分かると思う。 ばれたら相当やばい。まだ生きてるって知られたら、また探しにかかるだろう。 でも俺が書かなきゃ、あの井戸…

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パンドラ(長編)

私の故郷に伝わっていた「禁后」というものにまつわる話です。 どう読むのかは最後まで分かりませんでしたが、私たちの間では「パンドラ」と呼ばれていました。 私が…

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ハカソヤ(長編)

ほんの数年前に知った私の母の故郷の習慣の話です。 うちの集落にはハカソヤという女限定の変な習慣があります。 ハカソヤにも色々あって、大きく分けてお祝いの言葉…

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邪視(長編)

これは俺が14歳の時の話だ。冬休みに、N県にある叔父(当時まだ30代)の別荘に遊びに行く事になった。 本当は彼女と行きたかったらしいが、最近別れたので俺を誘…

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危険な好奇心(後編)

あれから5年。俺達3人はそれぞれ違う高校に進んで、すっかり会うこともなくなっていた。 あの「五寸釘の女」事件は忘れることが出来ずにいたが、記憶は曖昧になり、…

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危険な好奇心(中編)

山を降り、俺達は駅前の交番へ急いだ。 『このカメラに納められた写真を見せれば、五寸釘の女は捕まる。俺達は助かる』 その一心だけで走った。 途中でカメラ屋に寄…

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危険な好奇心(前編)

小学生の頃、親友二人(慎、淳也)と学校の裏山に秘密基地を作っていた。それなりに本格的なもので、板を打ち付けて雨風を防げる三畳ほどの広さの小屋だった。 放課後…

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ゲラゲラ(長編)

去年の4月に大学を卒業して、マンションに引っ越した。 そのマンションの真ん中が中庭になっていて、俺は左端に住んでいる。 6階建てのマンションで、右側にマンシ…

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異世界村(長編)

自分の体験した少し現実味のない話です。 自分自身、この事は今まで誰にもしたことがないし、これからも話すつもりはありません。 それにこの書き込み以降、僕が他人…

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ヒッチハイク(長編)

今から7年ほど前の話になる。 俺は大学を卒業したものの、就職も決まっていない有様だった。昔から追い詰められないと動かないタイプで、「まぁ何とかなるだろう」と…

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リアル(長編)

俺の経験から言わせてもらう。何かに取り憑かれたりしたら、マジで洒落にならないことになると最初に言っておく。 もう一つ。一度や二度、お祓いをすれば何とかなるっ…

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リゾートバイト(前編)

これは夏休みも間近に迫った大学3年生の頃の話。 大学の友人の樹と覚、そして修(俺)の3人で、海に旅行しようと計画を立てたんだ。 計画段階で、樹が「どうせなら…

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