高校の時に母から、
「昨日、お前から電話がかかってきた。○○(住んでいるところ)にもうすぐ到着するという電話だった。声は確かにお前だった」
と言われた事があった。
その時は家に居て寝ていたのだから、そんな事は有り得ない。その電話がかかってきたのは夜の事だった。
※
それから月日が経過し、高校も卒業し専門学校も卒業した。
そして2年前に、専門学校の同窓会をやるという通知が来たから行ったんだ。
八王子にある某専門学校なんだけど、実に楽しかった。
そして同窓会も終わり、帰るために特急へ乗った。
もう夜になっていたんだけど、その時なぜか猛烈に眠くなったんだ。
疲れていたせいかなと思ったが、物凄い眠気でガクンッとなった。
その瞬間、眠気が急に無くなってスッキリ。
電車には何も変化はないし、変な名前の駅に着いたと言う事もない。
ただ帰宅報告をするため、乗り換えする駅に到着した時、家に電話した。
そしたら『もしもし!』と、母の声が耳に飛び込んできた。
『え?』と思ったね。なぜならその時、母は病気で寝たきりになっていたから。
電話に出られる訳がないんだよ。おまけに元気な声。
一応、○○だけどと言ったら、電話の向こうの母は、
『○○は寝てるけど…誰? ほんと誰? え? え? 声は○○だけど…。こんな夜中にどっか出かけてるの?』と言うので、
「え? 俺は八王子の学校の専門学校からの帰りで、もうすぐ○○に到着するからというのを言うために電話したんだけど、母ちゃん病気治ったの?」
と言うと、電話の向こうの母ちゃんはますます慌てて、
『え? 八王子!? 病気? こわいこわいこわいこわい!』
と言い、電話を切られた。
『何なんだ?』と思ったけど、乗り換えする電車が来てしまったから乗った。
そして乗っている最中、また強烈な眠気。電車のガタンゴトンという音は眠気を誘うんだな。今度はがっつり30分ぐらい寝た。
※
気が付くと目的地を伝えるアナウンスが流れていたので、慌てて起きて目的地の駅に降り、家にもう一度電話。そしたら兄貴が出た。
母はどうしているか聞くと、相変わらず寝室で寝ているらしい。
取り敢えず兄貴に駅まで迎えに来てもらった。
兄貴の車の中で例の高校の時の不思議体験を思い出し、『あれって…ついさっきの俺!?』とかなり動揺した。
過去に数分の間、飛んじまったのかねぇ?