10年前、小学6年生だった頃の出来事。
学校から帰る途中、人々と車が突然止まり、時間が止まったような現象に遭遇。
突然、真っ黒な服を着た若い男女が現れ、声を揃えて「あ。」と言った。
私は恐怖を感じて逃げようとしたが、男に腕をつかまれて動けなくなった。
男と女は何か失敗したことについて話していた。
女は謝り続け、男はどうするかと困惑していた。
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最終的に、男は私に何も言わないよう頼んできた。
女は反対したが、男が言い勝った。
男は私に何かを手渡し、「絶対に言うな」と念を押した。
私は約束し、家に帰った。
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家に帰ると、時間が元に戻っていた。
居間で笑う母の声を聞いて安心した。
男にもらったものは透明で虹色のマーブル模様の飴だった。
好奇心に負けて食べてみると、今までにない美味しさだった。
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その後、同じ飴を探して交差点をうろついたが、二度と会うことはなかった。
今でもその交差点を見ると、この不思議な体験を思い出す。