私には昔からの友人がいて、彼は異常なほど頻繁に死体と遭遇します。中学時代、私たちが海で遊んでいるときに水死体を発見したのが最初です。その時点で彼はすでに5回も死体を見ていたと言っていました。中学生の誇張話だと半信半疑でしたが、それ以降も彼は8回以上、予期せぬ死に遭遇しています。
普通は人が死ぬ瞬間に立ち会うことなどめったにありません。彼はまるで死神の生まれ変わりのようでした。特に印象に残っているのは、二人で共に体験した出来事です。
あれは塾の帰り、1997年5月のある水曜日、三鷹駅の2番線ホームで電車を待っていた時のことです。私たちの前には中肉中背のサラリーマンが立っており、雑誌を読んでいました。電車がホームに入ってくると、突然そのサラリーマンが後ろを振り向き、友人を凝視しました。そして、まるで押されたかのように横に硬直したまま倒れ込んだのです。
その後の記憶は曖昧ですが、轟音とブレーキ音だけが印象に残っています。なぜサラリーマンは突然振り返ったのか、そしてなぜあのような不自然な形で飛び込んだのか、理解できませんでした。しかし、友人と何らかの関連があるのではないかと感じざるを得ませんでした。
今も友人とは交流があり、彼は結婚し子供もいて幸せに暮らしています。それでも彼は未だに2年に1、2回のペースで死体に遭遇しているそうです。彼との関わりの中で、私もまた死という現実と隣り合わせの瞬間を垣間見ることとなりました。