つい最近の出来事です。
職場で色々あって、自殺未遂しちゃったのね。
それで気分転換のため田舎に帰省したんだ。もちろん自殺未遂のことは秘密にして。
すると、信心深いばあちゃんが俺の顔を見るなり、寺に行こうと言うのね。
まあ、俺も久しぶりだったからばあちゃんと2人で墓参りに行ってから、寺へ行った。
そしたら「病気平癒」祈願のお経が始まった。ばあちゃんが頼んでくれたらしい。
なぜばあちゃんが病気平癒を頼んだのか分からなかったが、精神的に参っていて胃潰瘍だったから、有り難く聞いといた。
住職に「先祖が守ってくれるから大丈夫、毎日感謝しなさい」と言われた。
ばあちゃんには「一人でないのだから大丈夫だ」と言われた。
その時は、精神的に参っている様子の俺を元気づけようとしてくれたんだな、と普通に嬉しかった。
※
俺はそれから3日程で田舎を後にした。
しかし新幹線に乗るとまた憂鬱になり死にたくなった。
憂鬱なままアパートに戻り郵便受けを見ると、骨髄バンクから手紙が来ていた。
俺の型が合う患者さんがいて、移植に協力できるか返事をくれという内容だった。
命を捨てようとした俺が、人の命の役に立てる。
住職とばあちゃんの言葉が浮かんだ。
俺は親やばあちゃんや先祖に命を捨てようとしたことを謝った。
涙が止まらなかった。
あの病気平癒祈願は、この患者さんのためだったんじゃないかなあ。
考え過ぎかもしれないけど。