小学校の頃、近所にお化け屋敷と言われている家があった。
まあ、実際は屋敷という程でもない少し大きめな日本家屋なんだが、小学生の言うことだしな。
その日は両親共に帰宅が遅くなるのが分かっていたから一人で冒険に行ったんだ。
いくつか噂もあったが、明らかに同級生が作ったような話もあったんで、実際は何もないだろうと高をくくっていた。
俺は日が沈んでから懐中電灯と棒を持ってその家に侵入したんだ。
靴を履いたまま家に上がることに習慣上躊躇いがあったんで、脱いで上がった。
中の様子はと言うと、襖は外れていて、障子も破れており、家財道具も見当たらない。
本当に放置されていただけの家で、ガッカリしつつも安心して帰ろうとしたんだ。
そしたら、靴がな、バカな小学生男子だから脱ぎ散らかしていたはずなんだが、綺麗に揃えられていたんだ。
その靴を履いて家に飛んで帰ったよ。
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夜20時半頃、TVを視ていたら母親が帰ってきてな、「あ、今日はちゃんと靴揃えてるねー」って…。
もちろんそんなことはしていない。
それ以来、一度も靴を散らかさずに揃えていたんだ。
最初は怖さからだったけど、1年もせずに習慣になった。
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それから大人になるまで特に変わったことは何も起こらなかったんだが、先週、男友達が遊びに来てな。
帰る時に「あれ、お前俺の靴に触った?」と聞いたんだ。
もちろんそんな事はしていないから、「お前のくさい靴なんか触らねーよ(笑)」と答えた。
でも昨日、帰った時に靴を散らかしたままにしておいたが、朝になっても散らかったままだった。