工事中の仏閣を見た。仏像があるべき場所をクレーンのようなものでパーツがくるくる回っている。
俺は竹やぶに続く仏閣を参拝しようと山に入っていった。浅く霧がかかっていてなんとも神聖な雰囲気。
入ってすぐに分かれ道発見。真っ直ぐには石碑のような物体を発見。
「キョン」「キクケ」などと人の名前が入ったそれが縦に一列に並んでいた。
相棒がよく調べようとしたんだけど俺は気味が悪いと無理矢理止めて左の道へ進んだ。
更に進んでいくと僧の行列に遭遇、と思いきや奴らはみんな木や植物でできていた。
俺のすぐ前にいた“奴”が
「あんたらも参拝かい?」と聞いて来たので
「はい、そうですが…」と言って思わず肌を見せてしまった。
その瞬間にそいつはニヤ~として
「おーい、助けてくれ。人間がいるぞー」と走り出しやがった。
俺の相棒が「まずい、そいつを殺せ」と言ったので後を追いかけた。松や木が歩いていたが無視して走った。
追いついた所で俺はそいつを殴った。相手は倒れる。しかしすぐ起き上がって笑いかけてきた。
もう1人の切り株みたいな奴が気づきやがったが背負い投げで崖から突き落としてやった。
俺と相棒はひたすら逃げて逃げて逃げまくった。幸運なことに先頭のほうにいる連中には気づかれていなかったようだ。
そいつらを掻き分けて仏閣に着いて見ると工事中。
今度はもっと変な化け物が
「こいつは俺が掘った穴だ」みたいなこと抜かしてやがる。
俺と相棒は無視して工事中の仏閣の中に入り込んだ。
相変わらず連中は
「おい、奴らが中に入り込みやがった」と喚いていた。
俺はまだ未完成のガラガラに賽銭を入れて助けてくれるようにお願いした。
相棒曰く、あいつらの穢れた心ではこの中に入れないだろうと。
外に出てみると化け物は1人もいなかった。
俺「なんだ?消えちまったな」
相棒「奴らはあやかしだったのかもなぁ」