いなくなった犬猫が発見されることが、異常に多い廃屋があった。
廃屋と言っても街中にあってわりと小ぎれいな一軒家。別に荒らされいるわけでもない、古い造りのちょっと雰囲気ある家。
家の裏には庭があり、そこでやたらと逃げたりいなくなった犬猫が見つかった。
この家は道路に面してて、表に玄関がある。その敷地を囲むように大人の背丈くらいの塀が囲ってる。家の両脇と塀は数センチの隙間しかないけど、猫なら入れなくもない。
最初の頃は猫がそういう場所が好きで迷い込んでしまったんだろうと思ってた。でも、さすがにどうあがいても通れないサイズの中型の犬が、その庭で発見されたときはおかしいなと思った。
塀に抜け穴はないし、現にその庭で見つかった犬猫を助け出すときは塀乗り越えて中に入ってた。時々、どうやって入ったんだよこいつは、みたいなサイズの犬がいたりした。
その街では犬猫の失踪率が異様に高かった気もするけど、でもまあ、みんなペットがいなくなるとまずそこをあたって、だいたい見つかってたから良かったのかな。
ちなみに玄関から入ったんだろ、みたいなことはない。荒らされてないので玄関も窓もどこのガラスも割れてなくて、施錠もしっかりされていた。
多分この家はまだある。別名、憩いの館。