不思議な体験や洒落にならない怖い話まとめ – ミステリー

時空トンネル

時空

数年前、子供の頃に不思議だった出来事が繋がった話です。

5才くらいの記憶で、その頃はよく畑仕事に兄と付いて行っていたんです。

畑から数十メートル離れた場所に、大きな岩が何個も無造作に積み上げられており、その形は岩で作ったカマクラのようでした。

入り口は狭く子供がようやく入れるような感じで、中は意外と広くなっていました。子供からしたら秘密基地みたいな感じで、すぐにお気に入りになりました。

いつものように畑に連れて行かれ、兄とその秘密基地へ入ったのですが、その日は兄がお菓子を持ってくると言って一旦出て行きました。

自分は秘密基地の中で一人待ちました。

おかしな事に、数十メートルしか離れていない場所からお菓子を持ってくるのになかなか来ません…。感覚からして2、30分待っていたような感じがしました。

薄暗い中、入り口の明かりだけが少し差し込む空間。一度出て兄のところへ行こうと思いました。這って出るような感じで、外へ手を伸ばしました。

空き地は草が覆い茂っていたのですが、感触が少しおかしい…サラっとした砂の感触というのか…。5才ぐらいでも『おかしいなあ』と思いました。

這い出ると、神社のような建物の下から這い出た感じになりました。

外には大きな牛と馬の作り物、石畳、人も多く居て、とにかく怖かった記憶がありました。怖くて怖くて大泣きした覚えがあります。

周りに人が集まり、自分の知る言葉とは違った言葉で話しかけてきました。

今ではその言葉がはっきり関西弁だと解るのですが、幼い関東の田舎で育った自分には「じょうちゃんどしたん?」と聞かれても解らなかったと思います。

5才ぐらいからしたら数人の大人に囲まれる恐怖。

怖くて必死に元来た建物の下に逃げ込みました。奥へ奥へ薄暗い中、必死に逃げたのを覚えています。

とにかく這って逃げたら、いつもの草むらに出ていました。服はドロドロで、母にこっぴどく怒られました。

兄に話をすると、すぐに戻って来たら自分が草むらの中で大泣きしていたと言われました。

しばらくこの秘密基地は怖くて避けていましたが、小学1年の時に学校の帰り道、ふと秘密基地を思い出し行ってみました。

もう自分は小学生だからこんなところは怖くないという変な自信がありました。

ついでに、5才の時の記憶だし…あの時は何か夢でも見たんだろうと自分に言い聞かせました。

いざ秘密基地に入ろうとすると、多少崩れたのか入り口が狭くなっていました。

『なんだ…入れないのか…』と思っていると、中からニュっと小さな手が出てきました。『中に小さな子がいる!!』と本当にパニックになりました。

小さな子が入り込むには小さな穴になっていたし、きっと閉じ込められているんだと思い、近所の人を呼びに行きました。

その日は大変で、近所の重機を持っている人が駆けつけたり、駐在さんが来たりと、色々な人が集まりました。

結局、石の山をどかしても誰も居らず、私は大目玉をくらいました。穴の入り口付近には10個程の綺麗な物が落ちていました。

そして、30年近く経ってそのキラキラの正体と場所が判明したのです。

この事件も殆ど忘れかけた頃、自分は関東から関西へ嫁ぎ娘も出来ました。

そんな中、少し離れた神社へ娘を連れて遊びに行きました。3才の娘の宝物は、クレーンゲームで取ったプラスチック製のクリスタルのような玩具。

すきあらばポケットに忍ばせてジャラジャラさせています。

娘が境内の小さな穴に宝物を何個か入れているのを見て思い出しました。

まさかと思いその小さな穴を目視しても、入れた物が見えるはずなのに無い!!

帰省した時に実家の物置を探すと、出てきた宝物箱に娘の宝物のキラキラがありました…。

そんな不思議な体験です。

後書き

神隠しの中にはこういう例もあるのかなあと思ってみたりします。

もし一回目の時に逃げずに保護されていたらどうなっていたんだろうと思うと少し怖いんですけど…。

産んだ娘なのですが、たまに不思議なことがあり、この先も色々ありそうです…。

3才なのですが既に小学一年生くらいの漢字が読めているんです。『注意』という漢字も教えてないのに読めていたり(基本自分しか教える人がいないのに)。

また、311の日に義母が関西から関東へ帰る時、当時半年の娘が大泣きしてしがみついて離れなかったこともありました(そのおかげで直下を免れています)。

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