今まで誰に言っても信じてもらえなかった話だけど、俺は同い年(当時27歳)の親父と話をしたことがある。
親父は俺が4歳の時に死んだのだが…。
俺が東京から実家に帰る途中の田舎の駅で乗り継ぎを待ってると、隣に座る同い年ぐらいの作業服を着た青年。
誰も居ない夜の駅で気持ち悪かったのもあって、くだらないことを話した。
お互い『マヨラー(マヨネーズを好物とする人)』で、意気投合した。
同い年だった。
「俺は病気なのに子供作って大変なんだ」
とも言っていた。
色々なことを話し、俺の仕事を言うとニヤっとして、
「すごいなぁ…」
と嬉しそうに言っていた。
そして、
「そうか…良かった。立派な大人なんだな、○○も」
と、言っていなかった俺の名前。
「何で知ってんだ?」
と聞くと、
「忘れるもんか。俺が付けた名前だ。俺の名前は○○。お前の親父だよ」
と言って、電車が来るのと同時に消えた。
実家に帰るとたまたま親父の命日らしく、お袋が親父が好きだったほうれん草のマヨネーズあえを供えていた。
そう言えば、
「マヨネーズとほうれん草が美味い」
と言っていた。
本当に好きだったんだ…。