以前付き合っていた彼女に聞いた話。
小学校4年生くらいの頃、夜中に枕元に気配を感じて目を覚ますと、白装束に狐の面を被った何者かが立ってこちらを見ていたそうです。
何をするわけでもなくじっと見つめるだけのその何者かは、確かに人の形はしていたものの、明らかに人間ではないのがはっきりと判ったと言います。
恐さでたまらず泣き出すと、隣の部屋からお母さんが来て「シッ!シッ!でていきな!!」と犬猫を追い払うようなそぶりをすると、黙って消えたそうです。
後日、お母さんにその夜の事を聞くと「あぁ? ありゃ狐だよ!」とあっさり流され、それ以上聞かなかったそうです。