この前、近所の商店街のイベントでクジを引いた。
買い物をすると貰えるクジ引き券を数枚集めて引くあれだ。
『三等のスポーツ自転車が欲しいな~』なんて考えながら箱に手を入れてゴソゴソやっていると、耳元で『それだっ!』という大声がした。
二年前に亡くなった爺ちゃんの声だった。
声に驚き、思わずそのクジを握ってしまった。
取り出してみると、六等の日本酒セット。有名な酒蔵のものらしい。
確かに生前は物凄い酒好きだったけど『死んでも酒なのか!』と少し呆れた。
取り敢えず爺ちゃんの仏壇に半分お供えし、残りは手間賃として俺が飲んだ。
凄く楽しそうにお酒を飲む人だったので、思い出してちょっと懐かしかった。